2023年2月6日に発生したトルコ南部地震による斜面災害
概要
2023年6月12~21日、斜面未災学研究センターの王功輝教授は、イスタンブール工科大学のTolga Görüm准教授とトゥエンテ大学・国際地理情報科学及び地球観測研究所のHakan Tanyas助教の協力のもとで、2023年2月6日にトルコ南部で発生した地震による斜面災害の現地調査を行いました。
調査内容についての詳細な分析は進行中ですが、発生した斜面災害は以下の五つに大別されることが判明しました。具体的には、
- ①落石:最も頻繁に観察されたタイプ
- ②緩い層理面に沿った並進性岩盤すべり
- ③大規模な岩盤崩壊およびそれによって形成された天然ダム
- ④再活動した大規模地すべり
- ⑤大規模な地すべり地の源頭部上部斜面で広範にわたって発生したクラックと地盤沈下。
さらに、2つの大規模な地すべりに対して、地すべりの内外に複数の地震計を設置し、余震の観測を行いました。10日間の地震観測期間中、Mw1.0 ~ Mw4.7の余震を1000個以上記録することができました。これらの余震観測データを用いて、地すべり地の震動特性を調査する予定です。
