2019年山形沖の地震の被害調査報告

  • 災害調査報告

2019年6月18日22:22頃に、山形県沖でマグニチュード6.7(暫定値)の地震が発生しました。新潟県村上市で震度6強、山形県鶴岡市で震度6弱を観測したほか、北海道から中部地方にかけて震度5強などの揺れを観測しました。地震防災研究部門では現地調査を行い、被害の大きかった新潟県村上市と山形県鶴岡市において、目視による建物の被害調査、常時微動観測、ドローンによる屋根被害の撮影を行いました。

 

建物被害は特に山形県と新潟県の県境付近の海岸沿いの町で大きく、山形県鶴岡市小岩川では傾斜した土蔵や瓦屋根の被害、墓石の転倒、モルタル壁の落下などの被害が確認できました。ドローンで空影したところ、3割程度の建物で瓦屋根の被害があることがわかりました。震度6強を観測した新潟県村上市府屋では、数%の建物で瓦屋根落下の被害が確認できたほか、体育館の盛土の崩壊、体育館の天井パネルの落下等の被害がありました。

 

震度6強という強い揺れを観測した地震でしたが、倒壊した建物は確認できず、建物の耐震性の向上と、建物被害につながりにくい比較的短周期の揺れであったことで、死者なしという幸いな結果につながったと考えられます。

 

より詳細な情報は、地震防災部門のウェブサイトをご覧ください。

 

 

図1:気象庁による余震分布と震度分布

 

 

図2:小岩川での屋根被害

 

 

図3:府屋と小岩川の屋根被害の比較。小岩川ではブルーシートのかかっている建物(瓦屋根の被害)が多い。

 

 

図4:小岩川におけるモルタル壁の落下

 

 

図5:府屋における盛土の崩落