2017年12月 地震・火山グループ研究会

  • 研究会
開催期間 2017.12.22   15時 ~ 17時
場所 宇治地区研究所本館 S-519D

【日時】2017年12月22日(金) 15時~17時
【場所】宇治地区研究所本館 S-519D
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_uji.htm
(構内マップ中の27番の建物です)

【スケジュール】
時間:15:00-16:00
講演者:山下 裕亮(京都大学防災研究所 附属地震予知研究センター 宮崎観測所 助教)
タイトル:九州東方・日向灘〜南西諸島海溝におけるスロー地震の海底観測

要旨:東北地方太平洋沖地震以降、プレート境界浅部域における従来の考え方の見直しが迫られたこともあり、プレート境界浅部での海底観測が日本周辺を始め、環太平洋沿いの沈み込み帯で行われている。本発表では,2013年に九州東方の日向灘で行った海底地震観測により明らかとなった浅部低周波微動活動について紹介する.一方で,2013年の観測はわずか3ヶ月の観測による成果であり,活動の普遍性や地域性などの有無については不明であった.そこで,2014年度より複数のプロジェクトで実施している日向灘から南西諸島海溝にかけての長期連続海底観測研究について紹介するとともに,これらの観測データの解析から明らかとなりつつある浅部低周波微動活動について報告する.

時間:16:00-17:00
講演者:上田 圭一(電力中央研究所)
タイトル:2016年熊本地震(Mw 7.0)時に出現した2系統の地表地震断層群の活動履歴と形成過程 –
トレンチ調査および断層模型実験による予察的検討-

要旨:2016年熊本地震(Mw7.0)では、布田川-日奈久断層沿いに地表地震断層群が出現した。このうち益城町寺迫~下陳地区の平野部では、右横ずれ変位主体のENE-WSW系の断層群と,左横ずれ変位主体のNW-SE系の断層群が認められた。両断層群の活動履歴と形成過程の解明を目的として,トレンチ調査と断層模型実験による予察的検討を実施した。トレンチ調査については、今後,詳細な年代測定結果による検討を行う必要があるが,現時点のデータから,右横ずれ変位主体のENE-WSW系断層群は,最近の時代において,約2000~3000年間隔で活動していると考えられる。また当断層群と左横ずれ変位主体のNW-SE系の断層群とが同時に活動する古地震イベントの可能性も示唆される。このような断層挙動は,Riedel shear群の変位に伴い,それらのステップ部に生じる歪を解消するためantithetic Riedel shear が変位するモデルに整合的と考えられる。