2015年11月 地震・火山グループ研究会

  • 研究会
開催期間 2015.11.27  14:00 ~ 17:00
場所 連携研究棟3階大セミナー室(301)

【開催日時】2015年11月27日(金)2時 ~ 5時
【開催場所】連携研究棟3階大セミナー室(301)

【テーマ】レジリエントな防災・減災機能
【講演者】稗田泰史氏(森ビル株式会社 執行役員)
土橋徹氏(森ビル株式会社 構造担当部長)
金谷康宏先生(国立保健医療科学院・健康危機管理研究部部長)
鶴和美穂先生(国立病院機構災害医療センター、厚生労働省 DMAT 事務局)

【講演会の趣旨】
2015年11月の地震・火山グループ研究会では、”レジリエントな防災・減災”を テーマに、市街地の再開発事業を担う民間企業による防災・ 減災機能向上の取 り組み、および広域災害時の保険医療活動支援への厚生労働省の取り組み、を取 り上げる。前半は、森ビル株式会社の稗田泰史執行 役員と土橋徹構造担当部長 に、森ビルの都市づくりのヴィジョン、そして高層ビル建設における最新の耐震 技術や安全対策技術の展開について、お 話いただく。後半は、国立保健医療科 学院の金谷泰宏先生と鶴和美穂先生に、保健医療活動支援に関わる情報利活用技 術の研究開発と実践につい て、 DMATの活動等にも触れて、話題を提供していた だく。

【プログラム】
(前半) 午後2時00分 ~ 午後3時30分  『市街地の再開発事業を担う民間 企業の取り組み』
稗田泰史氏(森ビル株式会社 執行役員)
土橋徹氏(森ビル株式会社 構造担当部長)

森ビルでは、災害時に「逃げ出す」のではなく「逃げ込める」くらい安全な街づ くりを目指している。東日本大震災では、建物に設置した地震計に より、「制 振」「免震」構造の安全性に対する効果を確認出来た。地震被害は、ほとんど無 かったものの、将来のさらなる大きな地震に備え、多数 の建物への影響を早期 に把握する必要が有る。早期の建物診断の手掛かりとすべく地震計のデータをリ アルタイムで分析するシステムを展開してい る。

(後半) 午後3時40分 ~ 午後5時00分
『災害時の保健医療活動支援に関わる情報利活用技術』
金谷康宏先生(国立保健医療科学院・健康危機管理研究部部長)
鶴和美穂先生(国立病院機構災害医療センター、厚生労働省 DMAT事務局)

平成7年に発生した阪神・淡路大震災を契機に災害時における医療需要と医療提 供のアンバランスの解決の手段として広域災害救急医療情報システ ム(EMIS)が 整備されるとともに、災害派遣医療チーム(DMAT)が組織され、東日本大震災で は、はじめてこれらの仕組みが試された。太 平洋沿岸地域は、超大型地震の脅 威にさらされており、人口密集地域に直下型地震、巨大津波が与える人的被害 は、これまでの震災の10倍を上回 るとの予測が示されている。このような事態 に備え、平成26年度より開始された戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) の中で、官公庁 等の有する情報を集約し、保健医療分野における支援活動の内 容に応じた形で提供することで、迅速に重症患者を被災地から搬出し、適切に医 療提 供が行える医療機関への収容、さらには中長期における避難所での保健 ニーズを適切に捉えることで医療需要を未然に予防できる新たな情報基盤の 構 築を進めてきた。本講演では、鶴和よりDMAT活動の現状と課題について紹介し、 金谷より研究の概要について報告する。