西嶋一欽教授が、2025年ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞 持続可能な開発のための特別賞を受賞しました

  • 受賞・就任
西嶋一欽教授が、2025年ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞において 「持続可能な開発のための特別賞」を受賞しました。
これは、2016~2018年にバヌアツ共和国・タンナ島で実施したJICA草の根事業であるタンナ島の土着建築保存プロジェクトが評価されたものです。
  • 受賞者名:西嶋一欽教授
  • 賞の名称:Special Recognition for Sustainable Development, UNESCO Asia-Pacific Awards for Cultural Heritage Conservation 2025
  • 受賞題目:Vernacular Constructions in Tanna Island Conservation Project, Tanna, Vanuatu
  • 受賞日 :2026年2月19日

 

今回の受賞について、ユネスコからの講評は以下のとおりです。

太平洋の小島嶼開発途上国(SIDS)という文脈において、本プロジェクトは、自然に基づいた無形の知識体系や伝統的な知恵を前面に打ち出した、実験的かつ革新的な遺産保存の説得力あるプロトタイプを提示しています。気候変動に対して極めて脆弱な地域に位置しながら、質素な土着構造物に対する細やかな敬意を払うことが、いかに持続可能性へのコミットメントにつながるかを実証しました。建築的アイデンティティを守るため、工業製品による代替よりも無形の伝統的建築知識を優先しています。

また、コミュニティ主導の共同デザインモデルにより、村人たちが森林管理者および環境の守り手として権限を持ち、長期的な管理責任と気候変動への適応力に対する果敢な姿勢を示しました。特に、女性の参加とリーダーシップの促進、社会的一体性の強化、世代間の知識伝承の強化が図られている点は特筆すべきであり、国際協力による実現は、共通の環境的・文化的課題に対処する上での国境を越えた連携の価値を強調しています。

 

UNESCO Asia-Pacific Awards for Cultural Heritage Conservation(ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞)とは……

2000年以来、「ユネスコ・アジア太平洋文化遺産保全賞」は、地域における遺産価値のある構造物、場所、資産の保存や修復を成功させた民間セクターおよび官民一体の取り組みを顕彰してきました。2020年、ユネスコは文化遺産が持続可能な開発にどのように貢献するかを強調するため、「持続可能な開発のための特別賞」を導入し、選考基準を更新しました。

2025年はアジア太平洋地域の16か国から計90件の応募があり、それらはこの地域における保存活動の進展を象徴する重要な成果を示すものでした。11月11日から13日にかけて、7名の国際的な保存専門家で構成される審査委員会が開催され、審議の結果、本年は「優秀賞(Award of Distinction)」2件、「功労賞(Award of Merit)」5件、「持続可能な開発のための特別賞」3件、および「遺産建築における新デザイン賞(Award for New Design in Heritage Contexts)」2件が授与されました。