所長就任にあたって(渦岡良介)
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2026年4月1日付で、京都大学防災研究所長を務めることになりました渦岡良介(うずおかりょうすけ)です。私と防災研究所の出会いは、1987年4月に工学部4回生として地盤災害研究部門に配属された折に遡ります。研究室では柴田徹教授、関口秀雄助教授、八嶋厚助手、三村衛助手の諸先生方にご指導頂きました。当時、柴田先生は所長を務めておられた時期があり、一学生としてそのお立場を意識することはありませんでしたが、今こうして同じ大任を仰せつかることに深い感慨を覚えております。修士課程修了後は、民間企業、理化学研究所、東北大学、徳島大学を経て、2017年4月より地盤災害研究部門・地盤防災解析研究分野の教授を務めております。
1951年の創設以来、本研究所は自然科学から人文・社会科学に至る災害学理の追求と、防災学の構築に関する総合的研究・教育に邁進してまいりました。世界各地で発生する多様な災害に対応しつつ、世界をリードする防災研究の拠点として歩みを続けています。最近も、地震災害研究センター、火山防災研究センター、斜面未災学研究センター、気候変動適応研究センターを改組により設置し、現実社会の問題解決を指向した実践的研究を展開しております。特に本研究所が提唱する「未災」とは、現時点では災害に至っていないものの、一歩間違えれば被害が発生していたかもしれない潜在的リスクを抱えた状態を指します。そのリスクが刻々と変化することを認知し、市民一人ひとりが「我が事」として未経験の自然災害に備える。この考えを実現するための学理を「未災学」と呼んでおり、様々な自然災害・人為災害の組合せである複合自然災害の膨大な可能性の場(未災の場)を対象とします。本研究所は、この「未災学」を共通の軸に据え、学内外の多様な研究者との協働を通じて新たな知を創造し、次世代を担う人材の育成に尽力する所存です。
新体制として、竹見哲也教授(将来計画)、浅野公之教授(研究・教育)、田中賢治教授(広報国際)、佐山敬洋教授(評価公正)の4氏に副所長をお願いしました。全構成員がそのポテンシャルを最大限に発揮できる風通しの良い環境を整え、防災研究所のさらなる飛躍と、安全・安心な社会の構築に貢献してまいります。
皆様のご協力とご支援を、心よりお願い申し上げます。





