顕微鏡レベルの「古傷」が地すべりの引き金 ―四国山地における地すべり多発メカニズムを解明―

  • プレスリリース 研究報告

京都大学防災研究所・山崎新太郎准教授の研究グループは、日本有数の地すべり多発地帯である四国山地中央部(徳島県・高知県境の大歩危地域)において、地すべりの発生場所と、岩石の中に残された微細な変形構造との間に密接な関係があることを突き止めました。

この地域は「結晶片岩」と呼ばれる地すべりを起こしやすい岩石でできていますが、同じ岩石が分布していても、地すべりが多発する場所とそうでない場所があります。本研究では、野外調査と微細構造の解析により、見落とされがちな数ミリ〜数メートル規模の「微細な褶曲(しゅうきょく)」と、それに伴って形成された「へき開(微細な割れ目)」が密集するエリアで、地すべりが集中していることを明らかにしました。これは、かつて日本列島が形成される過程で受けた強烈な地殻変動による岩石の「古傷」が、現在の斜面災害の発生を支配していることを意味します。この微細な割れ目が地下深部への水の通り道となり、豪雨時などに斜面を不安定化させていると考えられます。

本成果は、微細構造に着目することで、これまで予測が難しかった地すべり危険箇所の特定精度向上につながると期待されます。

本研究成果は、2025年12月14日に国際学術誌「Geomorphology」にオンライン掲載されました。