西野智研准教授らによる関東大震災の火災に関する論文がBulletin of the Seismological Society of Americaの特集号に掲載されました

  • 出版 研究報告

西野智研准教授が、Charles Scawthorn博士(カリフォルニア大学)、J. Charles Schencking教授(香港大学)、Janet Borland助教(国際基督教大学)と共同で執筆した論文 “Kantō Daikasai: The Great Kantō Fire following the 1923 Earthquake” が、Bulletin of the Seismological Society of Americaの特集号である、Special Issue for the Centennial of Great 1923 Kanto, Japan, Earthquakeに掲載されました。

 

 

本論文は、1923年9月1日に発生した関東地震に伴う東京市での同時多発大規模火災に着目し、火災の発生や拡大、火災気流の影響などについて実態や推測される様相を要約するとともに、日本における近年の地震火災の傾向や被害予測・リスク評価に関する最新の研究成果にも触れることによって、地震火災のリスクが現代においても潜在しており見落とされてはならないことを強調しています。

 

 

関東大震災から100年を迎える今、我が国における歴史的な地震火災の教訓が改めて国際的に広く共有され、地震の多い国々での今後の防災に活かされれば幸いです。

 

 

 

 

 

震災予防調査会報告 第百号(戊)東京市火災動態地図(1925)から推測される火災の全体像.赤:燃焼範囲、黒:焼失範囲、青:強風に吹き流された火災気流による地上付近の温度上昇5℃以上.東京市火災動態地図に記載されている出火点や飛び火の位置、火流線、延焼同時線を読み取ることによって、火災気流を含めた全体像をラフに推定したもの.推定手法はNishino et al.(Earthquake Spectra, 2013)による.