山本圭吾助教と園田忠臣技術室グループ長が「日本火山学会論文賞」を受賞

  • 受賞

 火山活動研究センターの山本圭吾助教、技術室の園田忠臣グループ長、元技術職員の高山鐵朗氏ならびに市川信夫氏が、雑誌「火山」あるいは「Earth, Planets and Space」に掲載された論文中、火山学に関する独創的で特に優れた論文の著者に授与される日本火山学会論文賞を平成26 年5 月2 日に受賞された。桜島周辺における50 年以上におよぶ長年の水準測量のデータ蓄積がこの優れた研究に大きく寄与した。
 
論文
Yamamoto, K., Sonoda, T., Takayama, T., Ichikawa, N., Ohkura, T., Yoshikawa, S., Inoue, H.,
Matsushima, T., Uchida, K., and Nakamoto, M. (2013) Vertical ground deformation associated
with the volcanic activity of Sakurajima Volcano, Japan during 1996-2010 as revealed by repeated
precise leveling surveys, Bull. Volcanol. Soc. Japan, 58, 1, 137-151.
 
 
受賞理由
 桜島火山の長期的な活動予測は防災の観点から重要である。本論文は、時間のかかる水準測量などの膨大なデータをまとめて、地下のマグマの動きを詳細に明らかにし、学術的にも防災の面においても重要な推測結果をもたらした。
 この論文に描かれているマグマ供給系は従来の研究では明らかにされていなかった分解能である。各噴火時期に対するマグマ供給系の時間発展の具体的なモデルが示されている。その結果は、桜島火山の次の大規模噴火についてのポテンシャル評価の基礎資料を提供するものである。地球物理的な手法だけでなく岩石学的手法による桜島火山のマグマ供給系のモデルへの発展が期待される。火山学は多様な専門の集まりなので、多くの観測研究によってモデルが検証されるこのような論文の貢献は大きい。

 

受賞式の様子

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