遠地地震によって誘発される地震活動の特徴を解明 -地震ビッグデータ解析を通じて-

  • プレスリリース 研究報告

宮澤理稔 防災研究所准教授、Emily Brodsky 米国・カリフォルニア大学サンタクルーズ校教授、Huiyun Guo 同博士課程学生の研究グループは、遠地で発生した大地震に伴い誘発される地震の活動の特徴を、ビッグデータの解析から明らかにしました。

 

大地震に伴う余震活動はこれまで詳しく調べられてきましたが、余震域から遥かに離れた場所でも発生する誘発地震について、その活動を定量的に説明するための知見は十分ではありませんでした。そこで本研究グループは、新たな解析方法を提案しつつ、過去10年間に南カリフォルニアで得られた地震に関する記録を解析しました。地震の揺れの強さに応じて地震活動が活発化しやすくなる関係性や、誘発を受けやすい場所の地域性を検証したほか、誘発された地震活動は通常の余震活動よりも時間とともに緩やかに減少する特徴などを明らかにしました。

 

本研究で得られた結果は、今後世界のどこかで大地震が起きたときに、その後の地震活動が地球規模でどのように推移していくのかを予測することに応用されることが期待されます。

 

本研究成果は、2021年5月5日に、国際学術誌「AGU Advances」に掲載されました。

また、アメリカ地球物理連合(AGU)の発行する論文誌の5月13日付けEditor’s Highlight に選ばれました。