令和元年東日本台風の進路予報誤差の要因を検証 ― 上陸3日前の誤差急増の要因を特定

  • プレスリリース 研究報告

中下早織 理学研究科修士課程学生、榎本剛 防災研究所教授は、令和元年東日本台風(台風第19号)について気象庁を含む主要な4つの機関による予報を比較検証しました。

 

台風第19号は東日本を中心に甚大な風水害をもたらしました。台風第19号は10月6日に南鳥島付近で発生後、大型で猛烈な台風に発達し、大型で強い勢力を維持したまま12日19時(日本時)頃伊豆半島付近に上陸しました。台風第19号の進路予報を検証することは、今後同様な台風が接近・上陸が予想された場合の対応を検討する上で参考になります。

 

上陸の6〜4日前からの気象庁の予報は群を抜いて精度が高く、3日半前の予報では伊豆半島付近への上陸を正確に予報していました。ところが、3日前からの予報では上陸位置が西にずれ渥美半島付近に変わりました。誤差急増の要因を特定するため、榎本教授らが考案したアンサンブル感度解析手法を用いて調べたところ、進路は9日に台風の南東に位置していた熱帯擾乱に敏感であることを突き止めました。熱帯擾乱が速く発達すると、台風の進路を西にずらすことがわかりました。

 

本研究成果は、2021年4月20日に、国際学術誌「SOLA」に掲載されました。

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