平成30年7⽉豪⾬時の積乱雲群の発⽣機構を解明――上空の⾼湿度の条件で積乱雲が広域で持続的に発達

  • プレスリリース 研究報告

2018 年7 ⽉に全国的に豪⾬が発⽣し( 平成30年7⽉豪⾬)、⻄⽇本を中⼼に広範囲にわたって洪⽔・ 氾濫・地すべりなどによる甚⼤な災害が発⽣しました。京都⼤学防災研究所 ⽵⾒哲也 准教授らの研究グループは、広域の気象データを分析して豪⾬をもたらした積乱雲群の発達条件を調べ、地⾯付近から⾼い⾼度まで⼤気の湿度が極めて⾼く、積乱雲群が持続的に発達したことが原因であることを明らかにしました。

 

梅⾬期には前線帯で、しばしば積乱雲群が活発に発達し、豪⾬災害に⾄ることがあります。平成30 年7 ⽉豪⾬の特異さは、その⾬量の多さと広がりにあります。積乱雲が発達する原因は、⼤気が不安定であること、そして⼤気中に⽔蒸気が⼗分に含まれていることです。そこで、気象庁の数値予報のもととなる気象データを分析したところ、⽇本列島の⼤部分を覆う広範囲において、⼤気中に1 平⽅メートルあたり60 mm を超える⼤量の⽔蒸気が含まれていたこと、地⾯付近だけでなく上空の⽔蒸気も豊富なことで上空9000 メートルを超
える⾼度まで相対湿度が80%を超えた⾼湿な条件であったことが分かりました。こういった条件のもとで、積乱雲群が広域で持続的に発達し、豪⾬となりました。

 

本成果は、2019 年9 ⽉19 ⽇に国際学術誌「Scientific Online Letters on the Atmosphere (SOLA)」にオンライン掲載されました。

 

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