千木良雅弘教授と山田真澄助教が、平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞

  • 受賞

千木良雅弘 地盤災害研究部門教授が平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞を受賞し、山田真澄 地震防災研究部門助教が、同表彰の若手科学者賞を受賞しました。

詳細は以下のとおりです。

 

受賞者:千木良雅弘 地盤災害研究部門教授
賞の名称:平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞
業績:深層崩壊の準備過程と発生場所予測に関する研究 *1
受賞日:2017年4月19日

 
受賞者:山田真澄 地震防災研究部門助教
賞の名称:平成29年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞
業績:地震波形を用いたリアルタイム災害モニタリングの研究 *2
受賞日:2017年4月19日

 

 
 
*1 深層崩壊は、深い岩盤まで急激に崩壊する現象で、これまでは発生場所を予測することは困難でした。この研究は、深層崩壊には長い間の準備過程があることを明らかにし、それに基づいて発生場所の予測・評価が可能であることを見出しました。また、その準備過程としての斜面の重力による微小な変形が航空レーザー計測によって抽出可能であることを示しました。この研究により、深層崩壊の発生メカニズムが解明され、それに基づいて時間とコストのかかる詳細な調査なしに、深層崩壊が発生する可能性がある場所を探す方法論が構築されました。
 深層崩壊の発生場所を特定することにより、国土の70%を占める山間地、さらには深層崩壊によるダム決壊の被害を受ける下流地域の安心・安全確保に寄与することが期待されます。
 
*2 この研究で、山田助教は地震波形記録を利用して緊急地震速報のアルゴリズム(IPF法)と世界初の地震計を利用した地すべり速報システムの開発を行いました。IPF法は、東北地方太平洋沖地震後に問題となった誤報の9割を改善することができ、2016年12月より気象庁の緊急地震速報へ導入されています。地すべり速報システムは、地すべり発生をリアルタイムで把握する画期的な手法です。
 これら研究成果は、地震や地すべり等自然災害の早期警報および早期検知を可能にし、被害の軽減に貢献すると期待されます。