「京大防災研究所と台大気候天気災害研究センターが研究交流協定を締結」

  • イベント報告

2014年9月1-2日に、第2回京都大学-国立台湾大学合同シンポジウムが京都大学で開催され、その分科会を防災研究所水資源環境研究センターが中心となって、京大側から大志万所長ら34名、台大側から譚所長ら10名、合計44名の参加者により宇治キャンパスで9月2日に開催しました。国立台湾大学は、前身は1928年日本統治時代に設置された台北帝国大学であり、1945年に中華民国によって改称され現在に至っています。台湾では、台風Morakotをはじめとする巨大台風の襲来が連続しており、台大気候天気災害研究センター(WCDR)は、こうした台風災害に伴う洪水災害、土石流や地すべり災害に対する調査研究を行う機関として2003年に設立され、その後、気候変動による影響を踏まえた災害調査研究機関として2010年に改組され現在に至っています。WCDRでは、気候変動や防災技術開発に関する基礎・応用研究を行うとともに、台北市や、台湾水利署・台湾電力などとも連携した共同研究を幅広く実施しています。

今回の分科会では、両機関の研究交流を促進させるための交流協定を締結するとともに、最近の洪水災害の特徴と気候変動の影響、最新の気象レーダーを用いた降水観測手法、都市域の洪水氾濫と避難モデルの開発、ダム貯水池の土砂動態の観測と排砂モデルの開発などのテーマを中心に双方からの研究紹介を行い、活発な意見交換を行いました。台湾大学メンバーは、再開発事業を実施中の天ケ瀬ダムを見学するとともに、宇治川オープンラボラトリーを訪問しました。今後、上記のような分野での共同研究を進めるとともに、学生・研究者交流、ワークショップ開催などを進める予定です。その一例として、2015 年4 月には,スイス連邦工科大学チューリッヒ校と京大で開催を企画している「排砂バイパストンネル・ワークショップ」に台湾大学メンバーを招待し、日本・スイス・台湾の3ヶ国で貯水池土砂管理の共同技術開発を進める予定です。

 

WS000031研究交流協定の締結                  記念品の交換
(国立台湾大学気候天気災害研究センター 譚義績所長, 京都大学防災研究所 大志万直人所長)

WS000023   分科会参加者による集合写真

WS000032発表風景                                     討議風景

 

WS000029宇治川オープンラボラトリーの見学風景

 

WS000033

ダム排砂((日本)黒部川・出し平ダム                     台湾)淡水河・石門ダム)