所長就任にあたって(橋本 学)

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京都大学防災研究所長 橋本 学

 

 

2019年4月1日付けで、京都大学防災研究所長に就任いたしました橋本 学(はしもと・まなぶ)です。1979年4月から1984年3月まで京都大学理学研究科大学院生として防災研究所の当時の地震予知計測部門で三雲健先生のご指導のもと研究に携わり、1984年4月から国土地理院などで地震防災研究・行政等に従事した後、1997年4月に防災研究所に戻ってまいりました。このたび、防災研究所長の任に就くにあたり、深い感慨と大きな責任を感じています。

 

 

さて。昨今の多発する災害は、我が国の防災・減災対策の問題点を顕わにしました。2018年末、中央防災会議は地震防災と気象・水象災害に関する2つの報告書を公表しました。これらに共通するのは、地域の行政・コミュニティ・住民が主体となることを求めていることです。また、種々の災害情報のあり方等についても議論が進んでおり、我が国の防災対策は大きな変革期にあります。この変革にどう向き合うのか? それぞれの立場で考え、多くのステークホルダーとの間で活発な議論を展開することが、防災研究者としての責務であると考えます。所員の皆様には、それぞれの専門分野での最先端の研究を推進するとともに、積極的に意見を発信し、防災研究所のプレゼンスを高めて欲しいと思います。

 

 

今、防災研究所は世代交代の時期を迎えつつあります。次代を担う若い世代がのびのびと活動できる環境を用意することが、我々の仕事と考えています。そのために多くの方々の声を聞き、十分に議論していきたいと思います。一緒に汗を流していただく副所長として、将来計画担当に多々納裕一教授、研究・教育担当に畑山満則教授、広報国際担当に石川裕彦教授にお願いいたしました。また、自己点検評価委員長に池田芳樹教授が就任されます。力を合わせて、活力のある防災研究所を次世代へ繋いでいきたいと思います。皆様のご支援・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。