発刊のご挨拶 所長田中寅夫
第9回「大学と科学」公開シンポジウム
   自然災害と地域社会の防災 −安全な社会生活を守るために−
角屋睦名誉教授が日本学士院賞を受賞
国際防災(IDR)ニュースレターについて 所長田中寅夫
インドネシアの火山噴火機構とテクトニクス
洪水及び地形変動による災害とその防御
中国における強震動予測と地震災害の軽減・防御
華清池の地すべり災害予測
粘性土石流の機構及びその対策
ワークショップに参加して (防災研究所田中寅夫)
ハルビンからジャカルタまで(防災研究所総務課長 永井修)
施設紹介 地震予知研究センター
平成6年度防災研究所発表講演会の開催
研究会のお知らせ、主な行事日程

[写真速報]

 兵庫県南部地震による阪神高速道路深江地区における塔脚の被害

 編集後記

 DPRI News Letter, No.1をお届けします。情報化時代で情報過多の今日この頃でありますが、防災研究の活動を知っていただくことの重要性を鑑み、本研究所からも情報の発信を行い、皆様のご賛同を賜りたいと思います。当面、英文版を交えて年3回程度の発行を予定しており、国際共同研究関係のニュースレターを順次盛り込む予定です。皆様のご批判、ご提言をお待ちし、体裁、内容共逐次より良いものにしたいと思っております。
この第1号編集作業中、 1月17日未明本研究所の膝もとで未曾有の大地震「兵庫県南部地震」が起こり、大災害「阪神大震災」を引き起こしました。被災地の皆様には心よりお見舞い申し上げます。本研究所では、地震発生とともに全機能を結集し、余震観測、被害調査、復興作業計画等に取り組んでおります。それらの報告は、次号に速報として発行する予定です。
それにしても、近代大都市における地震災害について、多くの予測が行われ、また米国カリフォルニア州などの教訓もあったはずです。それにもかかわらず予測通りあるいはそれを覆す大きい災害となったのは、予測より遥かに大きい地震動入力があったか、予測・教訓に対する対策が不足であったか、あるいは他人ごとと考えていたためであったのかもしれません。いずれにしても防災上大きな問題を残しております。また、近畿地方に大地震は起こらないというのは間違いであるという指摘を力説されていた方もかなりおられました。それがこの日であるという確たる証拠はなく、いわば不意打ちでありました。
 地震予知達成への道の遠さも痛感されます。自然災害の機構の解明とその軽減を目指す本研究所の役割の大きさを痛感し、身を引き締め研究の急速な打開的進展を図らなければならないと考えます。

編集委員: 岡太郎、岡本克郎、桂順治、河田恵昭、島田充彦、
     鈴木祥之、田中寅夫、永井修、松波孝治、三谷桂子
編 集  防災研究所ニュースレター編集委員会
発 行  京都大学防災研究所
連絡先  京都大学防災研究所総務課
     〒611 宇治市五ケ庄
     TEL:0774-32-3111(3003) FAX:0774-32-4115