角屋睦名誉教授が日本学士院賞を受賞

 角屋 睦本学名誉教授は、平成6年6月6日東京上野の日本学士院で、1994年度の日本学士院賞を受賞されました。
 先生は、三重県の出身であり、昭和27年京都大学農学部を卒業後、本学大学院研究奨学生前期課程、大阪府立大学、宇都宮大学を経て、同34年京都大学防災研究所に着任されました。その後、昭和35年助教授、同39年教授に昇任され、平成4年停年退官されるまでの28年間、内水災害の研究に従事されました。
 受賞の対象となった業績は「極値水文学の展開と水利施設計画設計への応用に関する研究」であり、極値水文量の統計解析法や洪水比流量極値の地域的分布特性に関する研究及び洪水・渇水時におけるダムの実時間流水管理手法、都市化に伴う災害危険度変化に関する研究等が高く評価されたものであると灰聞しております。
 すなわち、これらの研究は、水利施設の計画設計に欠くことのできない水文学上の極値現象を対象として、詳細かっ厳密な理論を展開するとともに、これを実際問題に適用したものであり、水利施設設計や防災計画の実用面への貢献はきわめて大きく、日本国内はもとより、諸外国でも高く評価されております。
 これらの研究に関連して、これまでにも昭和38年農業土木学会学術賞、昭和57年京都新聞文化賞、平成4年日本農学賞・読売農学賞を受賞しておられます。
 このたびの受賞は、京都大学防災研究所にとって創立以来の快挙であり、災害科学の研究に携わる者はもとより、日頃から指導を仰いできた者の等しく慶びとするところであります。