第9回「大学と科学」公開シンポジウム

自然災害と地域社会の防災  −安全な社会生活を守るために−


 大学等の研究者グループによる最新の創造的・先駆的な研究成果について、社会各方面への公開発表の促進を図ることを目的とした「大学と科学」公開シンポジウムの本年度の7つのセッションの一つとして、標記シンポジウムが平成6年12月10日(土)、11日(日)の両日、名古屋国際会議場において、300人以上の参加者を得て開催された。
 本セッションは自然災害科学総合研究班(代表:高橋保、京都大学防災研究所教授)により企画運営されたもので、最近の文部省科学研究費による災害科学研究の成果、及び国家プロジェクトとして実施されている地震予知研究に関わる成果の一端を紹介し、今後の展望について広く理解を得ることを目的とした。災害科学研究の成果としては、とくに、今後重要性が益々増大する都市の地震災害と水災害を取りあげるとともに、最近の顕著な災害となった北海道南西沖地震津波災害と、雲仙普賢岳の噴火災害を取りあげた。そして、原因となる現象や発生場によって様々な態様を見せる災害の実態を述べ、今までの研究成果によって、それらの現象の中の何がどこまで分かり、今後どのような研究が必要なのか、現象のメカニズムや予測などの理工学的側面のみならず、避難、予・警報の問題や、災害が地域に与える社会的な問題にも焦点を当てて論じた。地震予知研究に関しては、地震に先だって現われた様々な現象を例を挙げて説明した後、地震予知計画に責任ある立場で参画している代表的研究者を集めて、今後の 展望へのパネルディスカッションを行った。
 本シンポジウムの詳細は、後ほど講演収録集として、出版発売される予定になっている。

 間合先:〒460名古屋市中区金山1-94ヲミズノビル4F 中日本装備株式会社,TEL(052)322-1700