施設紹介  地震予知研究センター 

 地震予知研究センターは、地震発生とその予知に関する研究を強力に推進するために、平成2年6月、防災研究所及び理学部の地震予知に関連する研究部門・センター・観測所を統合・再編成し、新たに防災研究所付属施設として設置された。 本研究センターは、固体地球科学を基礎とした多くの研究分野の緊密な協力によって、地震発生のメカニズムの解明とそれに基づく地震予知の技術開発を目指している。このため、センターには以下の6専任研究分野と1客貝研究分野、

 地震テクトニクス研究分野
 地震発生機構研究分野
 地殻変動研究分野
 地震活動研究分野
 地震予知計測研究分野
 地震予知情報研究分野
 地球内部研究分野(客員)
が設けられ、これらに加え、総合処理解析室、総合移動観測班が併設され、さらにこれらにあわせて、統合前の8観測所がセンター附属の観測所(上宝、北陸、逢坂山、阿武山、屯鶴峯、鳥取、徳島、宮崎観測所) として配置されている。これらの観測所を各地域の中心として、西南日本に展開する地震、地殻変動等の広域総合観測網を活用した多項目観測に基づいて、地震予知の実現を目指した総合的解析を実施すると共に理論的研究との有機的連携に努めている。本研究センターは全国共同利用的に運営することに努めており、学内外の研究者で構成される運営協議会が設けられている。研究面では、仝国的な共同研究への参加や、そのアレンジなどを積極的に推進している。センター所属の教職員数は、現時点で、隔地勤務も含め、48名、大学院生24名(内留学生3名を含む)である。
 しかしながら、諸般の事情から平成2年の統合以降も、阿武山観測所に設置されていた地震観測関連テレメータ装置、高圧岩石破壊実験装置等を宇治に移設するスペースが得られなかった事、また、センター所属の教職員、学生の研究、教育の場が十分でなかった事等は、統合の成果を十二分に発揮するための障害にもなっていた。
しかし、この度、多くの関係者の方々の強いご支援のおかげで、写真の様な新研究棟が宇治構内に建設された。建て面積1648平方メートル3階建てである。1階には主として、高圧岩石破壊実験装置関係、3階には、テレメータ関連及び総合処理解析装置などが整備され、2階にセミナー室および研究室が配置されている。残念ながら、この研究棟にセンター所属の教職員、学生仝員が移る事は不可能なので、当分は旧館と新館に分かれた状態で研究、教育を続けざるを得ない。