特集│未来につなげる防災研究─ 防災研学生の研究生活・キャリアパス|卒業後のキャリアパス 教員からのアドバイス

行政――日本から世界へはばたけ

角 哲也
水資源環境研究センター
社会・生態環境研究領域
教授

防災研に配属された学生さんの進路に、国土交通省、経済産業省、気象庁などの中央省庁や、都道府県などの地方自治体があります。工学系の場合は、国土交通省の河川系、道路系、都市系、港湾・空港系などの分野で仕事が待っています。最近のトピックスには、気候変動を考慮した流域関係者の連携による水害対策(流域治水)や、コンパクトなまちづくりと持続可能な地域公共交通ネットワークの実現、また、観光立国の推進、デジタル技術を活用した3 D都市モデリング、ドローンや自動運転などを活用した新たなモビリティサービスの開発などがあります。国土交通省からは、外務省の在外大使館に派遣されたり、国連、世界銀行、アジア開発銀行などの国際機関で仕事をする機会もあります。また、JICAなどに初めから就職して世界を巡る人もいて、多様なキャリア形成が可能です。行政機関の強みは、社会を俯瞰して視る目を養うことができること、多様な人脈を形成することができること、その上で、民間を含めた世の中の組織や人・モノ・技術を総動員して社会的課題に取り組む、いわばオーケストラの指揮者のような人生を経験できることです。是非、あなたもチャレンジしてみてください。

 

日本のODAで建設されたインドネシア・ジャワ島のスタミダムの再開発プロジェクト協議