特集│未来につなげる防災研究── 防災研学生の研究生活・キャリアパス|卒業後のキャリアパス 教員からのアドバイス

土木系学生の進路

―― 発注側・ゼネコン・コンサルタント

澤田 純男
地震防災研究部門耐震基礎研究分野
教授

土木業界は大きく分けて、発注側(役所等)、施工側(ゼネコン)と、設計側(コンサルタント等)の3つに分類できます。京大土木全体では、最近は圧倒的に発注側に就職する学生が多く、ゼネコンやコンサルタントに就職する学生は少なくなっています。そこで当研究室では、配属された学生を良く観察して、できるだけ本人に「役所向き」か、「ゼネコン向き」か「コンサル向き」かを伝えることにしています。どのような学生がゼネコンに向いているかというと、体力のある運動会系だと考えられがちですが、実はコミュニケーション能力に優れている学生なのです。それは仕事の規模が大きいので、多くの関係者との調整が最も大事な業務だからです。ところが最近はコミュニケーションの得意な学生は少なくなっており、そういった意味でもゼネコンに就職する学生が少なくなっていることは理解できます。

ちなみに、当研究室の学生の就職先は、コンサルタント等が一番多く、ゼネコンと発注側が同程度かと思います。自身がおこなった研究が面白いと感じた学生がコンサルタントに就職する傾向が強いようです。ゼネコンで大きなモノを作る楽しさも理解してもらえるように努力しています。過去にゼネコン向きとは思われない学生が、それを伝える前にゼネコンに就職を決めてきたことがあったのですが、彼は就職後しばらくして退職することになりました。学生にとって自身の性質に合ったところに就職するのが一番大事だと感じています。