地すべりとは斜面の土砂が元の形を比較的保ったまま下方に移動する現象で、斜面を構成する岩石の風化、豪雨や雪解けによる斜面内部の地下水水位の上昇、地震による強い揺れなど、単一または複数の原因によって発生します。移動する土砂は河川をせき止めて天然の湖を形成したり(天然ダム)、家屋や構造物を破壊したり災害を引き起こすことがあります。一方、とてもゆっくりと動く地すべりにおいては、山間部に日当たりのよい比較的平らな地形が作られること、地下水位が浅く水が取得しやすいことなどから、古くより宅地や農地として利用されるなど自然と調和した生活が営まれてきました。