環境地圏科学巡検・京都大学防災研究所ホームページ

環境地圏科学巡検

桜島火山観測所の地震観測施設（上）とハル夕山観測
所から桜島北岳、引ノ平川土石流発生源を望む（下）。
　本研究所地盤災害研究部門・火山活動研究センター等からなる環境地圏科学グループ主催で桜島における火山・土石流・斜面崩壊の野外巡検が4月30目から5月2目にかけて桜島火山で行われた。
　この巡検はー昨年から京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻の環境地圏科学分科で年に一度、同分野に興味を持つ学部生・大学院生を対象に実施しており、一昨年は伊那谷の中央構造線断層と断層沿いの地すべりの巡検、昨年は兵庫県南部地震に伴う地すべり・斜面崩壊を主眼として実施した。本年は5月の連休を利用して桜島とその周辺地域における火山、土石流、斜面崩壊とその予知と災害防止対策の巡検を桜島火山観測所と建設省大隅工事事務所の協力を得て行うこととなった。
　1日目は桜島火山観測所において宮崎大学谷口義信教授、京都大学防災研究所石原和弘教授による土石流、火山についての説明と桜島の上石流や本研究所諏訪助教授が撮影した中国・将家溝や雲仙水無川での土石流のビデオの映像を見た。2日目は建設省大隅工事事務所による桜島野尻川等での土石流とその観測、監視、対策について見学した。特に野尻川は桜島火山から噴出される火山灰が降雨によって流動化し、高速で流下するが、建設省では土石流の監視、警告のシステムを開発、運用している。3日目は桜島観測所の観測施設と桜島内に多数設置している地震計ネットワークによる微小地震の観測（写真上）や観測所修道での傾斜計・伸縮計観測、ハル夕山観測所（写真下）を見学し、火山噴火予知の現状と方法について説明を受けた。

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