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表1 性能表 |
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写真1 建物模型を用いた制震実験 | |
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図2 制震実験用建物模型 | 写真2 2階建木造住宅の実大実験 |
制震システムの開発 阪神・淡路大震災において、通信施設や緊急施設など都市重要施設における機能が破壊され社会的な問題となり、建築物の構造的性能が、安全性のみならず機能性の確保をも要請されている。ここでは、大地震時にも適用し得る制御効率の良いアクティブ制震システムの開発と模型構造物を用いた振動台実験による検証を実施し、制震システムの技術向上を計った。制震装置としてアクティブ・マス・ダンパー2台を搭載した建物模型(写真1)を用いて、制御アルゴリズム、特に制震装置の性能限界を制約条件とし、また高次モードにも対応できる制御アルゴリズムの開発を行った。 風や地震に対する建築物の安全性や機能性の他に居住性の問題も高層化が進むにつれて、大きな社会問題に発展すると考えられる。このような問題に対する有効な方策として制震システムが組み込まれた制震構造物の早期実現が望まれる。 木造住宅の実大振動実験による耐震性能評価 わが国においては、住宅の多くが木造軸組構法によって建てられており、阪神淡路大震災でも大きな被害を受けた。しかしながら、日本の気候風土や地域文化から見て木造軸組構法は日本人の生活に根付いており、これからも住宅の基本的な構造形式として存続していくものと考えられる。ここでは、在来構工法の一般的な構造要素である軸組、筋かい、土壁、大壁など木構造の基本的なところから構造力学的な解明を目指し、2階建木造軸組を数棟建設して、一連の実大振動実験を実施している(写真2)。 伝統木造軸組の実大振動実験 わが国の伝統的な木造建築は、軸組構法を主要な構法として育まれてきたが、構法の複雑さと木材の不均質性・不確定性ゆえに、構造力学的な解析が極めて難しく、詳細な構造解析がなされず、あいまいなままにされてきた。その結果、永年にわたる大工棟梁の知恵が積み重なって築かれた構法が構造力学的に解明されていない。ここでは、伝統木造軸組構造の実大振動実験を実施して、伝統木造建築が持つ構造力学的なメカニズムを調べ、伝統木造に組み込まれた大工棟梁の匠の技法を解明することによって、伝統的木造建築の保存・修復技術へ応用するとともに現代の木造建築に活かすことを目的としている。 本研究では、伝統木造建築のモデルを想定して実物大の試験体を製作し、振動実験を実施した(写真3)。 なお、本研究は、日本建築学会「木構造と木造文化の再構築」特別研究委員会(http://zeisei5.dpri.kyoto-u.ac.jp/data/index.htm)における研究活動の一環として行っており、木造建築物の一連の実験は、関連の多くの方々に見学していただくことは、有意義なことと考え、公開を行っている。 |
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図 木造住宅試験体の立面図 | |
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写真3 伝統木造軸組の実大試験 | |
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図3 伝統木造軸組試験体の立面図 |