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6. 研究・教育環境

 6.1 研究費:  6.2 科研費・公募研究費  6.3 研究設備  6.4 図書室  6.5 情報システム
 6.6 データベース  6.7 研究支援組織  6.8 技術室  6.9 遠隔地施設の研究環境  6.10 教育設備


6.1研究費:平成12〜13年度(2000〜2001年度)の状況

第2章では、研究所全体の各研究費の予算概況を一括して示したが、ここでは主要な研究所経費 ある特別事業費、共同研究費などについて具体的に示す。 特別事業費の研究題目および配分額を附表6.1に示す。 特定共同研究の研究担当者、プロジェクト名および配分額を附表6.2に示す。 一般共同研究の研究担当者、研究課題および配分額を附表6.3に示す。 研究集会(特定)の代表者、研究集会名、配分額などを附表6.4に示す。 研究集会(一般)の代表者、研究集会名、配分額を附表6.5に示す。 リーダーシップ支援経費の配分内訳を附表6.6に示す。
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6.2科研費・公募研究費

2章にも示されるように科研費などが研究活動の活発化を支えている。ここでは科研費の平成12〜13年度の新規申請と採択状況を附表6.7に、最近2年間の科学研究費補助金の採択課題(新規・分担)を附表6.8に示す。申請数は教官一人当たり約0.8件で、採択率は25%前後である。研究分担を数多く行っている教官も見受けられるが、平成10、11年に比べ申請数、採択率ともに低下傾向にあり、今後の改善が期待される。
財団などによる公募研究費の採択課題を附表6.9に示す。

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6.3研究設備

本研究所では、実験・観測のための大型設備をはじめとする多数の設備が稼働している。附表6.10に設備の一覧を示す。これらの大型研究設備等を用いた最近の共同研究の一覧を附表6.11に示した。研究成果については第7章「研究活動」及び研究業績を参照していただきたい。
 設備の中には20年以上経過しているものもあり、当時は最先端のものであったとしても各種技術が急速に進展している現在においては必ずしも最新鋭の分析能力があるわけではない。本所においては災害の多様化に応じた高知能化した装置の要求をすすめている。

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6.4図書室

 当研究所は平成11年度までは正規の図書室はなく、資料室をもって図書室と通称していたが、平成12年4月の宇治地区の事務統合に呼応して、図書業務も一元化され、所蔵の共同利用図書、定期購読和洋雑誌、および寄贈資料(図書を含む)等々の移動と宇治分館の改修工事を終了した平成12年9月に京都大学附属図書館宇治分館に完全統合された。

統合後の平成12年度、13年度の共通経費による外国雑誌の総額は各々8,161,775円(92タイトル)、8,195,655円(98タイトル)であり、国内雑誌の総額は各々827,119円(54タイトル)、894,879円(56タイトル)であった。12・13年度の図書室利用状況を附表6.12に示す。
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6.5情報システム

京都大学では平成7年度にATM高速情報ネットワークシステム(KUINS-II/ATM)が導入され、平成9年度からは宇治キャンパス−吉田本学間の通信速度が1.8GBPS×2へ改善された。この KUINS-II/ATMの利用に関しては、平成9年度に、各ハブノードにATM専用ルータ、各研究分野・領域にスイッチングハブを導入し、100baseのネットワークを構築した。さらに、平成14年度には安全なギガビットネットワークシステム(KUINS-III)が導入され、プライベートアドレスを用いた学外からは見えないネットワークが構築され、平成15年1月からのネットワーク有料化を契機に多くの機器がKUINS-IIIに移行した。

また、遠隔研究支援システムの導入により、宇治−吉田間の中規模テレビ会議が可能となった。更に、平成8年10月から運用が開始された、スペース・コラボレーション・システム(SCS)事業により、「衛星通信による映像交換を中心とした大学間ネットワーク」の局が宇治に設けられ、大学間での講義、研究会、講演会等に広く利用されている。

このような情報ネットワーク化が進むにつれて、電子メールなどの通信だけでなくホームページなどを用いた情報発信が急速に進展している。特に自然災害調査研究などの速報性のある情報を研究所のホームページに掲載することによって、研究者間の情報交換のみならず、広く一般への情報公開、減災のための啓発等につながる情報発信の新たな手段として、活用されつつある。

一方、不正アクセス問題は年々深刻化している。この対策として導入されたKUINS-IIIは一定の効果を上げているが、完全な防御にはなっていない。KUINS-IIに残されたサーバ類は今後さらにセキュリティ対策を強化する必要があり、組織的な対策の導入を検討する時期にきている。ネットワーク有料化に伴い宇治地区に常駐する計画であった人員は、予算的な問題として平成15年度には配置されないことが決まっており、今後、宇治地区全体の要望としてネットワーク管理をする常駐SEの実現を学術情報メディアセンター(KUINS)に要請していく必要がある。
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6.6データベース

本研究所には自然災害に関係する数々のデータベースが構築されている。これらをまとめて附表6.13に示す。
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6.7研究支援組織

本研究所における最近2年間の研究支援組織の人員について附表6.14にまとめて示す。これらの研究支援の人員は、本研究所で行われている実験・観測、大型設備の維持管理、及び研究補助に不可欠である。
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6.8技術室

 平成12年度より技術室職員の業務実績と効率化の資料に資するべく業務報告を提出することが義務づけられ、これにより技術職員個々の業務内容の把握と適正化、効率化に向けた施策が取れるようになった。平成13年度からは技術室用に南北棟1階に4スパンの居室を新たに確保し、宇治勤務の技術職員全員の机と遠隔地観測所勤務の職員用の机2つとを用意し、宇治勤務の技官は毎朝一度は立ち寄り各職場へ赴く体制をとることにした。

 平成12年度までの技術室運営委員会の構成は教授1名、助教授5人助手1及び班長以上の合計11人であったが、教授7名と技術室から2名の合計9名の構成で全所員への技術室運営の理解を深める体制になった。また、毎月の業務報告の内容を第三者にも理解できるように数値化することを試み改善の努力を継続的におこなっている。これは、技術力を客観的に評価するためのデータにもなり、若返りをはかりつつある技術室にとって、情報を共有し若い世代に技術伝承していくためにも貴重な資料となっている。

平成14年度は、6名もの定年退職者があり定員削減もあったが、28年ぶりに若手の技官を3人採用することができた。近年の応募者の学歴は高く、修士号取得者で国家公務員試験第二種合格者が対象になっているため、技術室の役割を高度な支援技術ができるように変えていく必要がある。1人は本学総合人間学部から異動し、あと2人は大学院修士卒である。ここ2〜3年は複数の研究分野に技術対応できるために各部門センターの業務を受けながら研修期間として技術力を身につける方法を採用している。平成15年度には2名の定年退職者が予定されており、幸いに定員削減割り当てがなく、新たな採用予定に機械分野1名、電子情報分野で1名の計2人を内定できた。技官総数27名中若手が5人となる予定である。さらに充実した技術支援組織へと強化するつもりである。

 地震予知研究センターが管理していた工作室は防災研究所の工作室となり、技術室がその維持管理をすることになった。前任者が定年になったため、午後のみ新人の専任者を常駐させ、機械・電気工作から技術相談・指導及び工具類の貸し出し管理をしている。

 技術室の技術力向上には研修が最も有効である。このため、毎年できうる限りの研修(京大総合技術部研修、近畿地区専門職員研修、東大地震研究所職員研修、全国技術研究会)に参加をしてきたが、もっと頻繁に勉強するため技術室のセミナーを新しい試みとして企画した。技術情報などの交換会として例会を開き、基本コースと専門コースとに分けた方法で勉強会を開催した。参加の呼びかけは所員全体に電子メールなどでおこなっている。基本コースでは、近年のパソコンの普及と高機能化したアプリケーションを使いこなす技能を取得するためにパソコン管理技術を含めたDTPセミナーを開いた。専門コースでは新人が新しい技術のテーマを挙げて勉強会を毎月2回おこなってきた。これにより、技術力の停滞を防ぎ、より高度の技術力のある組織を目指している。今後も続けていく予定である。

 所内に新規のプロジェクトが発足した場合に、既存の職場で活躍している技官の時間を集中して割く訳にはいかず技術室からの参加支援がしにくかったが、新人が3人増えたことにより対応が可能となった。今年度は次の2つのプロジェクトに参加できた。一つは、宇治川水理実験所での市街地氾濫模型実験(振興調整費)である。参加は8月から準備と実験を6名が担当し、延べ日数180日を越えた。その成果を 本研究所研究発表講演会で発表した。来年度も継続する予定である。もう一つは、21世紀COE研究分担課題に技術室からの「防災研究所で蓄積された印刷物や映像情報の電子ファイル化とホームページで高速検索可能なシステムの構築」テーマを申請し幸いにして採用された。平成15年1月からアルバイト6名を雇用して電子ファイル化作業を行っている。平成15年度には防災研究所年報の既刊20年分の処理を予定している。

 本来の日常業務の一つに、メールサーバやホームページサーバの管理に伴う新規登録や更新作業がある。近年では悪意ある侵入者の防衛とウイルス対策でネットッワークを安全に運営するためのセキュリティ管理も重要である。セキュリティ管理技術はこれで万全というものはなく、新たなウイルス攻撃が防御対策に先行するため、常に対応技術を更新していかねばならない面があり、見えない部分での技術支援である。前述した出版物をホームページに載せることは便利になるが、利用者が増えるほど悪意ある侵入や間違い操作によるシステムダウンの危険率が増加する。このため後手にならないような工夫だけでなく被害拡大を迅速に防ぎ修復する技術力も必要である。

 今後防災研究所からの発信情報がますます増加する方向である。技術室としても最新ウイルス情報やセキュリティ管理技術を常に取り入れ、確実安全に広報できる管理運営組織を目指している。
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6.9遠隔地施設の研究環境

本研究所には災害観測のために遠隔地施設を保有しているが、研究の高度化に従って観測項目が複雑多様化し、定常観測項目が増加してきている。一方で、遠隔地観測所の無人化がすすめられ、有人の観測所においても多くの遠隔地観測所においては、これらの業務を1〜2名の職員で処理しなければならない。そのため、遠隔地観測所勤務の職員の労働は年々過重なものとなってきている。観測施設の維持・点検とデータ取得のためには、坑道内の作業や海上作業、噴火危険区域での作業など、危険を伴う作業を余儀なくされることもあり、1名〜少人数での業務には問題がある。附表6.15に遠隔地施設の人員配置を掲載した。
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6.10教育設備

大学院重点化により本研究所において指導をうける学生数が増加した現状において、本研究所の教育環境は、学生用研究室、講義室、教育用事務経費、教育担当事務員が十分に手当されていない点において問題がある。特に平成14年度からは21世紀COEプログラムがスタートし、研究員の受け入れもすすめられるため、研究室環境はなお深刻となってきている。平成12年度からの大学院生の在籍者数は第5章の表5.2.3に掲載されており、大学院重点化以降の在籍者数は修士課程、博士後期課程合わせて約150名であり、平成14年度には170名強に達した。また、これも年々増加傾向にある留学生の受け入れに関して、照会に対する回答、受け入れ、宿舎、アパート探し、奨学金の申請などの事務的作業を実質的に教官が行わなければならないのが現状である。来日して日本の生活になれるまでの期間における住居などの問題については、国際交流会館おうばく分館が建てられ、いくぶんかは緩和されたが、今後の受け入れ留学生の増加に対しての対策を考える必要がある。

※教育改善推進費(学長裁量経費)は平成12〜13年度は配当なし
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