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7.1 研究成果の概要

 


前回の自己診断・評価と同様に、研究業績として、発表論文、ソフトウエア・データベース開発、コンピュータ・ネットワーク管理、国際学術誌への貢献、学協会賞を取り上げて整理した。

 発表論文は、通常「審査付き論文」と「審査なし論文」に区別されるが、論文の種類がより詳細にわかるようにするため、

 (A) 審査つき論文

 (B) 解説・総説

 (C) 著書

 (D) 紀要・報告書

 (E) 講義・講演会テキスト

 (F) 新聞・雑誌記事

 (G) 審査なし論文

に分類した。

 「(A) 審査つき論文」については、更に、当該分野のほとんどの研究者が査読付き論文と認める「(A1) 完全査読論文」、講演会を伴いその講演会で発表される論文が前もって発表論文として査読される「(A2) 一般査読論文」、アブストラクトが審査される「(A3) アブストラクト査読論文」、に細分類した。また、「(G) 審査なし論文」についても、「(G1) 講演会概要集」、「(G2) 学術誌」に細分類した。なお、論文の分類に当たっては、自己申告に従ったため、(A1)と(A2)の区別、(A1) と(A3)の区別は部門、センター、個人毎に若干異なっている。

(A)の発表論文の総数は729編(前回:619編)であり、詳細は以下のとおりである。

(A1) 完全査読論文:370編(前回283編)

(A2) 一般査読論文:255編(前回243編)

(A3) アブストラクト査読論文:104編

(前回93編)

一人当たりの発表論文数は以下のとおりである。

(A)6.13編/人(前回5.68編/人)

(A1)3.11編/人(前回2.60編/人)

(A2)2.14編/人(前回2.23編/人)

(A3)0.87編/人(前回0.85編/人)

 いずれの分類も前回の結果を上回っており、特に(A1)については約30%増加し、年間一人当たりも3編以上となった。完全査読付き論文の投稿が意識されていることの現れだと考えられる。今後とも、国際的なジャーナル等の審査付き論文への投稿など、客観的に評価の高い論文の作成が求められている。

(B)の解説・総説は計74編(前回36編)、(C)の著書は計97編(前回57編)であった。2001年に「防災学ハンドブック」の出版があり、著書編数が大きく増えている。21世紀COEプログラムとして開始された防災フォーラム等の活動とともに、この出版が一般市民を含めた社会全般への防災学の啓蒙の一助となることが期待される。このように、著書など形として残ることで評価できるものはもちろん、社会全般に向けた防災学の啓蒙活動を業績として評価できるしくみも必要である。現時点では、業績分類は研究者個人の判断に従ったため、(E)(F)に関わる業績を提出しなかった者も多いと推測される。各研究者が自己診断・評価の項目として、社会への貢献や防災学の啓蒙活動の重要性を認識することも、今後の防災研究所の発展のためには必要であろう。


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