京都大学・ユネスコ・国際斜面災害研究機構(ICL)

斜面災害危険度軽減と
文化・自然遺産の保護に関する国際シンポジウム


 UNITWIN本部設立式典に先立つ1月21、22日の両日、同ホールにおいて斜面災害危険度軽減と文化・自然遺産の保護に関する国際シンポジウム (The International Symposium on Landslide Risk Mitigation and Protection of Cultural and Natural Heritage)を開催した(写真下)。
 本シンポジウムには13カ国と3国連機関および国内の研究者、学生ら合計52名が出席した。シンポジウムはICLが企画調整している国際斜面災害研究計画(IPL)のM101 (APERITIF) Project(地震豪雨時の高速長距離土砂流動現象、研究代表者:佐々恭二)のグループを中心としたセッションと、 IPL C-101などのグループからなる文化遺産地区の地すべりの危険から保護に関するセッションで行われた。
 また、1月22日夕刻には、ICLおよびIPLの発足の核となったユネスコ・国際地質学連合共同事業国際地質対比計画 (IGCP)No.425(文化遺産と地すべり災害予測、研究代表者:佐々恭二)の研究期間を終了するにあたり、IPL C-101等のプロジェクトへ どう発展させていくべきかについて討議するためのラウンドテーブルディスカッションが開催された。特にIGCP-425プロジェクトについては、1998年から始まり、通常4年で終了するところを延長が認められ、さらにICLやIPLの発足につながったことが高く評価されており、 平成16年8月にイタリア・フローレ ンスで開催予定の万国地質学会議(第32回IGC)においてICL、IGCP-425グループ他が組織する予定の Topical Symposium T16-06 “Natural hazards and cultural her-itage,” (コンビナー:Canuti, Sassa, Grassi)を最終的な成果公表の場とすることとした。
 また、最終日の1月24日はICLの事務局会議を開催し、今後開催する各種会議、シンポジウム、ジャーナルを含む出版計画について打ち合わせた。
(斜面災害研究センター 佐々恭二)