平成15年度防災研究所研究発表講演会


 平成16年2月19日と20日の両日、京都テルサにおいて、防災研究所研究発表講演会が開催された。
 1日目朝、所長挨拶に始まり、災害調査報告として、河田教授による「十勝沖地震津波」、千木良教授による「九州土砂災害」、高山教授による「韓国高潮災害」についての報告があった。
 続いて、3月末に定年退官される予定の2教授による特別講演が行われた。入倉教授は「大地震の強震動予測のためのレシピ」と題する講演で、将来の大地震による災害軽減のためには強震動予測が不可欠であることを指摘するとともに、従来のような震度の推定だけに頼るのではなく地震動に基づく被害予測の重要さを強調された。 岡教授は「バングラデシュの洪水災害」と題する講演で、バングラデシュで繰り返し起こる大洪水の原因を議論すると共に、最後に、同国の洪水は災害とはいえない一面も有していることを示された。いずれも、活発な議論が行われた。

 午後2時半から2日目にかけて、一般講演は、「21世紀COE」、「総合」、「大気」、「河川」、「海岸」、「地盤」、「強震動」、「地震」、「火山」の9つのセッションに分かれて5会場で、ポスターセッションはポスター会場で行われ、研究成果の発表と活発な討 論が行われた。
 2日目の夕刻から懇親会が行われ、136人が参加した。今年度の新任の矢守克也助教授(巨大災害研究センター)、堤大三助手(水災害研究部門)、王功輝助手(斜面災害研究センター)、冨阪和秀技官(技術室)、西村和浩技官(技術室)の挨拶、退官される予定の上記2教授の挨拶、名誉教授の紹介が行われた。
 今年度は、会場も変更となり、申し込み方法もセッションごとの電子投稿になるなど、多くの点で大幅な変更が行われた。そのため、多くの方にご迷惑をおかけした面もあるが、ご容赦を頂きたい。
(地震予知研究センター 川崎一朗)