実大鋼構造試験架構を用いた制震実験

 阪神・淡路大震災において、通信施設や緊急施設など都市重要施設における機能が破壊され社会的な問題となった。都市重要施設の建物そのものは耐震化されていても建物内部の機能性まで保持するには至っていない。建物の振動を抑制するための方策として、アクティブ制震(振)は最も有効な方法と考えられる。しかしながら、既存の制振システムは風等による比較的小さな振動には有効であるが、大地震による大きな振動には対応しきれない。本研究では、大地震時にも有効な制御アルゴリズムを含むインテリジェントな制震構造システムを開発する。その検証実験が宇治構内に既設の実大鋼構造試験架構を用いて、平成8年3月に京都大学防災研究所制震研究グープ(脆性構造耐震部門、耐震基礎部門)と日本学術振興会産学共同研究「大地震を対象と大鋼構造試験架構を含む本実験装置は国内・国際共同研究に利用が予定されている。