「京都大学宇治キャンパス公開2002」について

 宇治キャンパス公開2002は、9月28日(土)の一般公開をもって盛況裏のうちに無事終了いたしました。今年の一般公開日の受付に登録した訪問者数は413人で、昨年より12人増でした。また、前日27日の午後からの学内公開に合わせて城南荘喜楽クラブ(老人会)から20人の訪問者があり総合展示をみていただきました。訪問者を地域別に見ますと、宇治市内が62%で、宇治市外からは、愛知県、名古屋市、香川県、福岡市、高知県、神戸市等からの訪問者で38%、報道機関からは、朝日、毎日、京都の新聞社から各1名計3名の取材がありました。なお、アンケート(回答数72)からは、参加者の約80%が一般人で、中学、高校、大学生の数は相対的に少ない結果となっています。写真1に示すパンフレットの当日の配布数は、449部でした。
 公開講演会は、「人類の豊かな未来のために:ナノからグローバルへ」をテーマとして、9月28日(土)の10時から催され、農学研究科・北畠直文教授の「食から見た安定共生系あれこれ」をかわきりに、情報学研究科・杉江俊治教授の「制御って何?」の講演、午後からは、宇治市民大学・自然科学コースとの連携で化学研究所・福田猛教授の「ナノテクの宝庫・高分子化学」の講演がなされました。講演内容評価についてのアンケート結果は、「良くわかり興味がもてた」、「少し難しかったが興味をもてる話もあった」が約70%を占め、概ね好評であったと言えます。
 公開ラボは、化学研究所、エネルギー理工学研究所、木質科学研究所、防災研究所、宙空電波科学研究センター、農学研究科、エネルギー科学研究科、工学研究科、情報学研究科、低温物質科学研究センター、附属図書館宇治分館の各実験施設など計25箇所で行われ、特に訪問者の実体験型のものに人気があったようです。アンケート結果では、「大変興味深かった」、「少し難しいところもあったが見学して良かった 」が76%であり、 これも概ね好評であったと言えます。
 各ラボ説明担当者への評価は、非常に熱心であり懇切丁寧であるなどと好評であったが、相手のレベルにあわせて(専門家レベル、一般理工系レベル、素人レベルの3段位)説明して欲しいなどの要望もありました。
 宇治キャンパス公開全般への、アンケート評価では、「公開によって新しい学問の方向が良く理解できました」、「中学に子供が通っていますが、ぜひ参加させてやりたいと思った」、「もっと見学できる時間を増やしてください」などと高い評価と好意的要望が多かったが、「案内のための道標が判り難い」とか「キャンパス全体が汚い。環境学をいうのであれば足元からきれいにして身を正すこと」などの手厳しい評価もありました。
 最後に、宇治キャンパス公開2002実行委員会の活動に関して簡単に述べますと、化学研究所の磯田正二教授を実行委員長として、本年4月30日に第1回の委員会が開かれ、5月には、講演会・パネル展示WG、広報WG、懇親会WGも立ち上がり、9月26日の第4回実行委員会をもって、その準備が完了という経過でした。多くの皆様の多大なるご協力を得ましたこと、ここに謝意を表します。
写真1.宇治キャンパス公開2002パンフレット(の表紙)
京都大学宇治キャンパス公開2002実行委員会 
田中仁史(防災研究所担当委員)