一般研究集会(K13-7)

「フィリピン海スラブの沈み込みと島弧・背弧の地球物理」開催


 防災研究所における平成13年度共同研究のひとつである,研究集会(一般)「フィリピン海スラブの沈み込みと島弧・背弧の地球物理」(代表:京都大学大学院理学研究科中西一郎助教授)が,去る10月9日と10日の2日間,化学研究所共同研究棟大セミナー室において開催された.当日は100名を越える出席者のもと,34件の研究発表がなされ,活発な討論が行なわれた.  フィリピン海スラブは,関東・東海地方から琉球列島にかけての地域で日本列島の下に沈みこむプレートである.西南日本地域に沈み込むフィリピン海プレートについては.これに伴う火山の成因や、背弧生成のメカニズム等などに関して謎が多いにもかかわらず,地震火山活動の定性的な議論や予測にとどまっているきらいがある.また,ここは遠くない将来に発生が予想されている次の東南海・南海地震の発生場としても注目されている地域である.このような状況に鑑み,本研究集会では,地球物理諸観測の総合的な議論を行ない,これによりフィリピン海スラブ沈み込みの数値シミュレーションの精度向上、地殻変動のより正確な解釈、地震・火山発生の物理の発展などに貢献することを目的とする.  研究集会では,地震学をはじめ,地球電磁気学,測地学等,地球物理学諸分野の最近の成果に基づく,フィリピン海プレートの構造や,地震活動等に関する研究報告がなされた.

地震予知研究研究センター 大見 士朗