寶 馨教授 土木学会論文賞を受賞


 防災研究所水災害研究部門の寶 馨教授は,平成13年5月25日に開催された社団法人土木学会通常総会において平成12年度土木学会論文賞を受けた。この論文賞は,大正9年(1920年)に創設された学会賞以来の伝統を持つもので,毎年7部門の最優秀論文各1編に授与されている。受賞論文「水文頻度解析に関する研究(総合題目)」 は,第2部門(水関連分野)における1988年以後の7編を含んでおり,その内容は,水工計画・設計に必要な確率水文量を決定する基礎となる水文頻度解析について,豪雨や洪水の極値データに確率分布を当てはめ適合度と推定精度を客観的に評価する実際的な方法を提案したものである。提案された方法は,現在,一級河川をはじめとする全国各河川流域の確率雨量・確率流量算定の標準的な手法として採用されている。一連の研究が,当該分野の学術・技術の進歩,発展に大きな刺激を与え,かつ社会的にも大きく貢献しているとして高く評価され,土木学会論文賞にふさわしいものと認められた。