吉川宗治名誉教授紹介


 先生は昭和21年9月に京都帝国大学理学部をご卒業後、同理学部副手を経て、昭和24年6月京都大学理学部助手に任命されました。昭和32年6月京都大学防災研究所助教授、昭和37年2月教授に昇任され、地震動研究部門を担当されて、応用地球物理学の教育、研究に努められ、また理学と工学の学際的立場から災害現象の解明とその対策のための新しい研究分野を開拓し、なかでも地震学の研究成果を地震工学研究に応用することにより、地震災害軽減のための応用地震学研究に関して多くの業績をあげられ、黎明期の自然災害科学の発展に貢献されました。昭和48年5月から2年間防災研究所長及び、京都大学評議員として大學の管理運営及び発展に貢献するとともに、防災研究所附属桜島火山観測所長、附属徳島地すべり観測所長、附属防災科学資料センター長として防災研究所の発展に寄与されました。
 1984年福井地震、1960年新潟地震、1980年アルジェリア・エルアスナム地震や1980年イタリア・イルピナ地震など災害調査を通して、地震災害軽減のために地震学・地震工学・都市防災学などの学際的研究を行い、多くの業績をあげられました。日本物理探査学会会長、日本地震学会評議員など関連学会の活動を通して同研究分野の発展および若手研究者の養成に指導的役割を果たし、また研究成果の社会への還元のため通商産業省、科学技術省、大阪府、大阪市など国・地方公共団体の防災行政に多大の貢献をされました。