防災学ハンドブックの刊行に際して


平成13年4月防災学ハンドブックが京都大学防災研究所編として朝倉書店より刊行されました。最初は平成10年夏に朝倉書店より編集の打診があり、当時の所長の今本先生と協議いたしました。その後、平成11年に入り執筆検討会を開き全体のフレームワークを検討し、同年、防災学ハンドブック編集委員会として組織され、目次の作成、執筆の分担依頼が始まりました。最終的には50周年記念事業に間に合わすべく、過酷な日程で校正をお願いして今日に至ることが出来ました。当初より、災害現象を個別にまとめるのではなく、常に総合的な観点より災害の誘因とその予知予測、災害の制御と軽減、防災の計画と管理にわけて、最新の研究成果をまとめたいとの意向が強く、「防災学」なる名前と編集上で横割が強調された目次にこだわりました。また、防災研究所だけではカバーしきれず、非常に重要な部分に関しては所外の先生の協力(執筆)を依頼し、誘因から対策、および気象から地震までの総合的なハンドブックを構成することが出来ました。私自身、校正を通じて、防災研究所の研究者の広範かつ高度な研究内容に驚かされました。
刊行にあたっては、長尾京都大学総長、廣井東京大学教授・災害情報学会長、木村大学評価・学位授与機構長、青山国土交通省技監、藤吉NHK解説委員より推薦の言葉をいただき、高く評価していただいていると自負しております。
値段は32,000円と個人で使用するには若干高価かもしれませんが、防災研究所の頭脳を結集したものとして広く防災研究・活動に活用していただけることを期待しています。
最後に、編集委員会のメンバーを紹介して、防災学ハンドブックの紹介とご利用のお願いに代えせていただきます。

石原和弘、今本博健(代表)、入倉孝次郎、河田恵昭、國枝治郎、小尻利治、鈴木祥之、関口秀雄、千木良雅弘(50音順)
(水資源研究センター 小尻利治)