IIASA(国際応用システム分析研究所)と
京都大学防災研究所との科学協力に関する協定書


IIASA(国際応用システム分析研究所)はオーストリアのウィーン近郊にある国際研究所である.米露を含む欧米諸国のほかにアジアからは唯一のメンバーカントリーとして日本が参加している.地球環境問題やエネルギー問題,人口問題などに代表される世界が抱える共通の諸問題を取り上げ,自然科学と社会科学の両方の視点が融合した,政策システム科学の方法論と,それを用いた政策提言に結びつく科学的知見を提供することを目的としている.国際的に著名な多分野の科学者とともに若手の気鋭の研究者が主として1,2年ベースで滞在するなどの形で,先端的な研究プロジェクトが推進されている.
今年5月下旬に池淵所長がIIASAのMacDonald所長を訪問し,京都大学防災研究所とIIASAとの間で,自然災害や環境のリスクマネジメントに関する研究交流協定が締結された.その概要は以下のとおりである.
  ・科学者・専門家の相互交流
  ・災害に関わるワークショップの共同開催
  ・IIASAの若手研究者夏季研修プログラムへの日本からの若手研究者の参加
  ・報告書.出版物の交換を含む研究情報の交流
協定は財政的側面も含めて相互の自発的・自己責任の原則にもとづいて行うことを旨としており,3年後に見直しすることを想定している.具体的には,総合防災研究部門が中心となって,今年7月上旬にIIASAで共同開催された自然災害のカタストロフィックリスクに関する国際シンポジュームを,今後も継続していくことなどのプログラムが検討されている.


IIASA所長マクドナルド博士との協定文書交換