京都大学防災研究所・共同研究集会(一般)11K-5

「都市直下型地震による構造物の衝撃破壊の解明と
防止策に関するワークショップ」報告

(研究代表者;野中泰二郎(地震災害研究部門・教授))

日 時:平成11年12月4日(土)〜12月6日(月)
場 所:鞆シーサイドホテル (広島県福山市鞆町鞆)
出席者:野中泰二郎(京都大学防災研究所・教授),
高畠秀雄(金沢工業大学工学部・教授),
入倉孝次郎(京都大学防災研究所・教授)
他 合計28名

阪神・淡路大震災を契機として衝撃破壊現象の重要性が再認識されるようになり、研究者の関心も高くなってきている現況をふまえて、建築、土木、機械、溶接、物理など多分野の研究者・技術者が一堂に会して活発な議論を展開した。
研究集会の開催場所については、参加者の地理的状況及び交通アクセスの便利さや環境の快適さを考慮して、広島県福山市で開催した。福山市は新幹線の停車駅で、広島空港からも近く、このワークショプの開催地である鞆の浦は瀬戸内海国立公園に含まれる風光明媚な地であり、議論に疲れた頭脳をリフレッシュするには大変好都合であり、この環境の中で議論が盛り上がった。
各研究者は自分独自の領域の問題に関して研究成果を合計16題の一般講演として発表した。さらに、ここでは参加される研究者の専門領域の広さを考慮して、衝撃問題の解法、構造物の設計、強震動地震、破壊力学の各分野から権威者がそれぞれの分野の解説を特別講演の形で行った。
 一題当たり、特別講演は60分、一般講演は30分と、通常の研究集会より多くの時間をあてがい、参加者は3日間寝食をともにしながら、自分の研究領域以外の人達ともより深い議論を重ね、研究領域をさらに広げる機会を持った。これらの成果は計234ページの「都市直下型地震による構造物の衝撃破壊の解明と防止策に関するワークショップ」の報告書冊子と、発表当日会場で配布された数編の論文にまとめられている通り、多岐に渡る分野の参加者からの異なった観点に基づく多様な議論と意見交換があった。
この様に特色ある研究集会として顕著な成果が得られ、参加者のみならず報告書冊子の受領者から膨大な賛辞が寄せられた。京都大学防災研究所が主催した共同研究集会が全国の研究者・技術者の情報交換の為に果した成果が大いに評価される。