新たなる一章へ


副所長(将来計画検討委員長)

宝  馨

 このたび図らずも大役を拝命 しました。もとより微力ではご ざいますが、皆様の御協力を得 て職責を全ういたしたく存じま すので、どうぞよろしく御指導御協力賜りますよう お願い申し上げます。
 今年度より研究所の組織が改編され、五十余年の 防災研究所の歴史の新しい一章を書き加えていくこ ととなりました。研究部門や研究センターの名称の 改変、教員の配置換えなどが行われるとともに、 「研究グループ」が研究所規程に謳われることとな りました。この研究グループの意味するところは、 一言で言えば、部門・センター単位では実現しにく い事柄を可能にするということに他なりません。た とえば、今回の研究グループ制によって、研究面で も人事面でも部門・センターの枠を超えて大講座的 運用をさらに弾力的・機動的に進めることができる とともに、遠隔地の観測所等のバックアップ体制も グループで考えることができます。研究グループは、 その内部で共通の目標を持ってそれの実現に邁進す ることが求められます。その目標は、高度な研究内 容かも知れませんし、共同利用施設の拡充や大幅な 見直しかも知れません。研究グループという新しい 仕組みが、防災研究所の長所をさらに伸ばすととも に、抱える課題の解決に効果を発揮するよう努めて 参りたいと存じています。
 将来計画検討委員会では、組織、人事、施設設備 について将来を見通した計画を立案して参ります。 また、それらにおいて当面すぐに解決を図らねばな らない事項も多数ございます。国立大学法人になっ てまだ2年目でもあり、未確定のことも少なくあり ませんが、その場しのぎではなく将来に向けてより 良い方向付けをすることが肝要です。現在進行中の 中期目標・中期計画(平成16〜21年度)を軌道に乗 せ着実に推進する(必要があれば適宜修正する)こ とはもとより、さらにもっと先の長期ビジョンを考 えていく必要もあろうかと存じます。今年度からは、 従来の建物利用委員会を施設設備専門委員会(高山 知司専門委員長)として、対外広報委員会の中にあ った産学官連携専門委員会(中川一専門委員長)を 将来計画検討委員会の中に移しました。こうして研 究・教育環境整備、外部資金導入などの中長期の戦 略を構想して参りたいと存じている次第です。宇治 キャンパスの4つの研究所を中心に提案されている 「生存基盤科学高等研究院」構想も、将来計画に大 きなインパクトを与えることになりそうです。他部 局や東京大学との連携も模索されているところで す。
 防災研究所、京都大学の良い伝統と成果を踏まえ つつ、新しい時代の魅力ある一ページ一ページを書 き加えていくことができるよう、河田恵昭所長はじ め教員、技術職員、事務職員の皆様とともに努力し て参りたいと存じますので、何卒よろしくお願い申 し上げます。