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 2.部門・センターの将来構想

2.5 大気災害研究部門


1.部門・センターの目的
 構造物周りの流れから地球規模の大気大循環に至る様々なスケールの大気現象と気候変動と、それらに起因する台風・竜巻・集中豪雨などの大きな災害をもたらす現象や大気組成の変化などの影響を理学・工学両面から研究をすすめて、大気災害の軽減・防止に資することを目指している。

2.部門・センターの目的の変更必要性の理由と新たな目的
 変更する必要はないと考えられる。

3.部門・センターの現在の研究活動に即した目標と達成したい成果等、および、5年程度の中期目標とそれ以上の期間の長期目標
(5年程度の中期目標)
・建物周りの非定常空気力と接近流の関係の解明
・風外乱を受ける建築構造物の損傷度の推定
・強風に伴う構造物の破壊・破損機構の解明とそ の予測及び防止方法の開発
・市街地における設計用風荷重の算定方法の確立
・大気微量成分の長期変化についての実態把握
・異常気象・異常天候発現時大気・海洋循環の解析
・気候変動の関連機構を解明するための複数(階層)の数値気候モデルの構築
・集中豪雨、竜巻、ダウンバ−ストなどのメソ異常気象の機構の解明と実時間監視法、災害予測手法を開発
・大気境界層の構造、雲物理・降水過程の観測手法の確立
・地空相互作用とエネルギー・水循環過程の調査
・台風および異常発達低気圧と、それに伴う暴風雨の調査
・大気微量物質の長距離輸送・反応・沈着機構の解明と大気環境の変動の調査

(10年程度の長期目標)
・建築物の保守及び設計への損傷度推定手法および信頼度解析手法の適用方法の構築
・台風来襲時の都市の災害ハザードマップの作成と強風予報システムの開発
・建築物の強風災害軽減手法の開発と一般向けガイドブックの製作
・市街地火災の予測手法の開発
・気候数値モデルを駆使した実験による気候変 動・気候変化のメカニズムの研究
・豪雨・台風などの激しい気象現象の予測と災害 防止
・大規模な場のエネルギー・水循環過程の正確な 評価による大気の長期変動の解明と予測
・大気環境の変動に対する大気微量物質の影響の予測

4.部門・センターの目標を達成する上で、現在の分野・領域構成は適切かどうか。変更する場合の理由と構成
 適切である。

5.部門・センターの目標を達成する上で、現構成メンバーの専門分野でカバー可能か。不可能な場合に新たに必要な専門分野
・大気と海洋の相互作用の研究を理論及び数値解析の両面から進めることができる研究者
・大気流体現象解明の基礎科学としての流体力学の研究者

6.部門・センター内での大講座的運営の実態。大講座的運営のメリットとデメリット
 大講座的運営が分野の枠を越えて各研究者が自由に独自性を保ちながら、研究課題ごとに部門内外で連携を取りながら研究を進めることを意味するものであるならば、当研究部門では既にそのような運営がなされている。
大講座的運営が、部門内のプロジェクトを策定し計画的に研究を進めるものであるとするならば、当研究部門ではそのような運営を行っていない。このような運営はセンターのようにプロジェクト主体の組織向きであり、大気災害科学を基礎的な面を含めて広く研究しようとする当部門の本来の役割とはそぐわない。

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