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8.2学協会活動

8.2.1は、2001年8月現在、防災研究所教官が所属している国内外の学協会名の一覧である。国内の学協会活動としては、防災研究所の使命である「自然災害とその軽減」に直接関わる日本自然災害学会を筆頭に、防災研究所教官の人数構成と研究背景を反映して、土木学会、日本地震学会への所属が圧倒的に多く、その他にも、日本建築学会、日本火山学会、日本気象学会への所属が際立っている。さらに、防災研究所が推進する総合的・学際的研究を背景に、所属学会は、理学、工学、社会科学へと多岐にわたり、所属学会は100を超す。学協会に登録されている総会員数は479で、これは教官一人当たり平均して4〜5の学会に所属していることに相当する。

 

海外の学協会への所属については、 “International Association for Hydraulic Research”、“American Geophysical Union”、“Seismological Society of America”、“American Society of Civil Engineers”を中心に、所属学会として計30余、所属総人数も約90名にのぼる。ここから、防災研究所教官の研究交流活動は国内に留まらず、海外へも積極的に展開していることがわかる。

また上記学協会の各種委員会活動に対しても、防災研究所教官は、委員長、主査、幹事、委員などの立場から積極的に関与している。さらに、学協会の会長、副会長、理事、評議員などの要職にも就いて各学協会の運営に携わっている。


表8.2.1 国内外所属学協会一覧

表8.2.2に過去5年間の国際会議、国際シンポジウムでの活動を、表8.2.3に国内会議、国内シンポジウムでの活動状況をまとめた。国際的な場でも、基調講演、招待講演、科学評価委員の指名の数は多数にのぼる。また、表8.2.4に示したように、国際学術雑誌の編集者としての貢献数も29にのぼり、防災研究所の職員が災害研究の面で世界の研究をリードしていることが伺える。また、国際会議のオーガナイズの面でも、議長や組織委員、実行委員など目覚しい活躍がみられる。

このことから、国際学協会における日本人研究者への期待が大きくなっていることが伺える。1996年度から科学研究費において海外渡航旅費を計上することが可能になるなど、国際学協会が主催する会議や委員会に参加するために充当できる海外渡航旅費は若干増えてはいるものの、十分な国際活動に必要な額が保証されるには至っていない。日本が世界に対してもつ責務を考えれば、海外渡航旅費に対する一層の支援が望まれる。

一方で、学協会活動の活発化は、研究への時間配分の減少を招いている。特に、研究分野の細分化と学際研究分野の萌芽により、近年学協会の数は増加の一途をたどっており、教官が学協会の活動、運営にますます忙殺される傾向が見られる。種々の学協会からの活動の要請がますます強くなる状況下で、学会活動と自分の研究活動のバランスが問われる時期にきている。



表8.2.2 国際会議・シンポジウムでの活動

表8.2.3 国内会議・シンポジウムでの活動

表8.2.4 国際学術雑誌の編集

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