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教育活動

5.1 教育活動への関わり

 防災研究所における教育活動としては、学内における教育活動と学外における教育活動に大別される。学内における教育活動としては、卒業論文・修士論文等の執筆指導を含む学生に対する講義・研究指導や研究生・研修員の受け入れと指導等が含まれる。また、学外における教育活動としては、他大学・大学院における非常勤講師としての講義の他に、一般を対象とした講演や講義等も広義には含まれる。

教官の教育活動への関わり方を、1;個人および共同で行う「研究活動」、2;学生の指導、講義およびその準備などの「教育活動」、3;事務的用務、会議、移動などの「その他」に三分し、教官各自の自己申告の形式で各項目の占める時間の割合を、平成10、12年度報告に倣って調査した(全回収率85%、教授94%、助教授91%、助手70%)。その結果は図5.1.1に示すように、研究所全体の平均としては、「研究活動」41%(平成10年度46%、12年度45%)、「教育活動」25%(同23%、22%)、「その他」34%(同31%、33%)となり、公的な時間の半分近くを「研究活動」にあて、「教育活動」にあてるのは1/4と徐々に増加していることがわかる。

図5.1.1 教育活動に対する時間配分

 研究所全体としては「研究活動」の時間が減少し、「教育活動」、「その他」が増加している。とくに、「教育活動」は前回平成12年度の自己点検評価報告で減少傾向だったものが増加に転じている。大学における教育活動は、研究活動と両輪をなし、両者は密接不可分のものである。このことは研究所においても例外ではなく、ある程度の教育活動を担ってゆくべきものであるが、研究活動との兼ね合いをどの程度に保っていくかは今後の課題であろう。一方、「その他」が一貫して増加傾向にあり、「教育活動」を上回っているのは問題であろう。独立行政法人化により、さらにこの傾向が強まるのであれば、何らかの対策を打ち出すべきであろう。

 役職ごとの変化を見ると、教授の場合、「研究活動」が減少し、「教育活動」が増加、「その他」は横這いである。助教授の場合、「研究活動」は減少、「教育活動」は横這いで、「その他」が増加。助手の場合、「研究活動」と「その他」が減少し、「教育活動」が増加となっている。「教育活動」については、教授、助教授、助手の差が小さくなってきている。また、助教授における「その他」の割合が増え、教授のそれに近づいており、その分「研究活動」が減少している。助手に関しては「その他」の割合が減少したのは良いとしても、「研究活動」の割合が減少し続けているのは検討を要する。

 平成10、12年度報告で指摘された吉田キャンパスへの移動時間については抜本的な改善はなされておらず、平成15年度から工学部の大部分が桂キャンパスへ移ることもあり、移動時間を減らす工夫に関してはさらなる模索が必要である。

 図5.1.2〜図5.1.4に明らかなように、役職によってもそれぞれの活動の時間配分が大きくばらついている。平成12年度報告で指摘された講義担当数や教官1人あたりの指導学生数等、教官間の教育活動に対する負担の偏りが依然残っており、今後、負担を均等化するより一層の努力が必要であることを示唆している。ただしこれらは防災研究所だけではなく、本学研究科との問題でもあるため京都大学全体としての調整が必要であると考える。
図5.1.2 役職別公的時間配分回答頻度分布(教授)
図5.1.3 役職別公的時間配分回答頻度分布(助教授)
図5.1.4 役職別公的時間配分回答頻度分布(助手)

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