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4.9 水資源研究センター

4.9.1センターとしての活動概要

@研究対象と方針

地球規模及び都市・地域規模での水資源を取り巻く自然・社会現象とその変化を多角的にとらえ、ジオシステム・ソシオシステム・エコシステムの総体としての水資源の保全と開発のシステムを総合的に研究することを目的としている。とりわけ、スケールの大きい地球規模では陸面・大気の相互作用を含めた広域の水・熱循環の解明をはかるべく、現地観測・モデル化を進めるとともに、流域・都市域のスケールでは健全な水循環をベースにした水資源の有効かつ持続可能な利用が図れる開発・保全システムを構成する。また、水需給の一時的アンバランスから生じる渇水の頻発に対処すべくハード・ソフトを含めた総合的な施策を展開する。加えて、気候変動、人口・食料増加、仮想水の動態を組み入れた国際水資源ダイナミックスモデルの構築を目指している。

これらの研究推進にあってはセンタースタッフの研究水準のアップとセンター領域間の融合をはかるとともに、センター専任の客員教官との共同研究、大気災害・水災害研究分野との共同研究をはかる。

A現在の重点研究課題

なかでもセンター全体で取り組む重点研究課題(プロジェクト研究)としては以下の4つを掲げている。

1)気候変動に対応した水資源賦存量の評価ならびに流域の水資源管理

2)水量・水質・生態および人間活動の相互作用を包含した水環境の総合的評価手法の開発と流域管理システムの構築

3)中長期・短期降雨予測と水資源システムの実時間操作支援ロボットの開発

4)国際水紛争と水の貿易収支に関わる国際水資源ダイナミックスモデルの構築