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4.7.2 研究領域の活動概要

]T.阿武山観測所

  助手 中村佳重郎、技官 浅田照行

@分野の研究対象
連続観測による地殻変動の監視

A現在の主な研究テーマ
地震に関連した現象を検出するための観測およびその検出方法の開発

B各研究テーマ名
(1)地殻変動連続観測による地殻活動に関連した現象の抽出(中村佳重郎)
(2)湧水量変化と地殻変動(浅田照行)
目的:外部の影響を出来るだけ避けるために、阿武山観測所の観測坑において、地殻変動を表す歪変化やその影響を受けて変化する湧水量の変化を伸縮計、傾斜計および湧水量観測計などを用いて観測する。

成果:
1)北陸―近畿および近畿―山陰地殻活動総合観測線における地殻変動連続観測結果(2001年5月〜2002年4月)、地震予知連絡会会報(第68巻)、414-416
2)地震活動の活発化と静穏化(片尾  浩)
丹波山地の微小地震活動を解析し、M3.5以上の中規模地震には活発な時期と静穏な時期が交互に現れていることが分かった。兵庫県南部地震前の1992〜1994年には震源域に隣接する丹波山地の微小地震活動が低かった。一方、兵庫県南部地震直後から丹波山地の活動は活発化し、現在もその傾向が続いている。
3)中規模地震に先行する静穏化
1987年と1999年の丹波亀岡市付近で起きたM4クラスの地震の前数カ月間、周辺の地震活動が明瞭に静穏化したことが分かった。
4)月齢と地震活動の相関
兵庫県南部地震直後から活発化した丹波山地の地震活動に、月齢と相関を示す地震数の増減があったことが分かった。兵庫県南部地震による応力変化により、潮汐によるトリガーを受けやすい状態になっていたと推定される。

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