防災研究所新スタッフの紹介 


総合防災研究部門 教授  萩 原  良 巳
 平成9年4月1日付けで、総合防災研究部門、自然・社会環境防災研究分野に教 授として着任いたしました萩原良巳です。昭和45年に京都大学大学院工学研究科 土木工学専攻修士課程(土木計画学研究室)を修了し、その後24年間、(株)日水コンの研究開発部門で、水を中心とした環境と防災の計画問題を地域・都市という枠組みでシステム論的な研究を行って参りました。研究へのアプローチは、「ノ ーマティブ」なアカデミックな方法論は少なく、「ボジティブ」な計画方法論を構 築することに徹してきました。故あって、着任前3年間は、神戸の流通科学大学に お世話になり、ここでは「生活者」の視点から、もう一度(大震災があったことも関係していますが)自分の研究を見直し、行う機会が得られました。幸いなことに、今回、防災研究所のスタッフの一員と成らせていただき、いままでの27年間の経 験をもとに、先輩諸兄のご指導のもとに、あるいはご一緒させていただき、じっくりと、新しい環境防災の計画方法論の構築にチャレンジしようと胸をふくらませております。よろしくご指導の程お願い申しあげます。
大気災害研究部門 教 授  岩 嶋  樹 也
 平成9年4月1日付で、名古屋大学大学院人間情報学研究科環境情報論講座から、大気災害研究部門災害気候分野に異動して参りました。昭和38年に入学後、31年問を京都大学理学部で過ごしたことになります。改めて、防災研究所の皆様方の、ご指導とご鞭撻をお願い申し上げる次第です。
 いまのところは、2年前に始めた「都市域とその周辺における大気メタンの研究」を主にして、村松久史名誉教授から受け継いだオゾン観測の継続とそのデータ活用 を思案しております。近い将来に、気候災害に直結する、全地球的気候・地域気候の変動についての研究を再開するための準備も進めております。
大気災害研究部門 教 授  植 田  洋 匡
 平成9年4月1日付で大気災害研究部門暴風雨災害研究分野に着任いたしました。昭和44年京都大学大学院工学研究科博士課程、同助手、講師を経て、昭和51年から13年間国立公害研究所(現、国立環境研究所)に、その後九州大学応用力学研究所に勤務し、20年ぶりに母佼に戻って参りました。その間、乱流から地球環境問題まで、広く環境中の流体力学問題に取り組むチャンスを与えられ、皆様の暖かいご支援の下に仕事をさせて頂きました。今後も、暴風雨と大気環境変動の力学をテーマに新しい研究室を目指して全カを尽くして参りたいと存じます。今後とも一層のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
災害観測実験センター 教 授  関 口  秀 雄
 平成9年4月1目付けで災害観測実験センター土砂環境研究領域に着任しまし た関口秀雄です。昭和49年に京都大学大学院工学研究科博士課程を修了して以来、 3度目5年振りの防災研究所勤務となります。今や防災研はC0Eとして国内外から常にその動向を注視されております。私もこれまで以上に研鑽を積み、水際地盤の液状化や流動変形の問題をはじめ、海底マスムーブメント等の学際領域の研究の推進を通じて、防災学に寄与してまいりたいと考えております。皆様のご支援・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。
水資源研究センター 教 授  小 尻  利 治
 平成9年4月1日より水資源研究センター地域水利用システム計画分野の教授 として着任しました。昭和56年から60年まで防災研究所の助教授をしていまし たので、約10年ぶりに再登場なります。研究は、卒業後一貫して、水資源システムの計画・管理に携わっており、ダム貯水池群をシステム論的にとらえると共に、多目的・多施設系での最適設計やAl技術を導入した管理支援システムの開発、および、システムとしての安全度評価を行っています。近年他方面にも興味を持ち、パターン認識を利用した水文現象の分類・評価やGlSをベースとした地球温暖化や持続的開発のための流域管理に関する研究に取り組んでいます。
巨大災害研究センター 教 授  田 中  哮 義
 6月1日付けで巨大災害研究センターに着任しました田中哮義です。昭和46年 京都大学工学部建築学科を卒業、48年修士課程を修了し、同年建設省建築研究所 (建研)に採用され、以来主に建築火災時の煙流動の性状予測と制御、建物の性能 的火災安全設計手法の開発に関連する研究に携わって来ました。建研では、自分の興味に従って研究するのみでなく、建築の設計や、行改などのなかで生ずる実務的 問題に対する解決策を求められることも多く、大変な反面で勉強にもなりました。防災研では、建築物から都市の防災へ対象を広げて災害の研究に挑戦することになりますが、この分野の研究者や実務者と新たに知遇を得られることが楽しみです。
総合防災研究部門 助教授  多々納  裕 一
私は本学工学部土木工学教室の出身で,現在の専門は土木計画リスク分析です。
研究上の興味は不確実性と公共計画との関係にあり、不確実性下の人間行動と防災基盤施設や規制の効果、不確実性下の計画の方法論等が主な対象です。本研究所の前には鳥取大学工学部社会開発システム工学科に所属しておりました。この学科は情報処理から土木計画に至るソフト領域をカバーする学際的な学科です。互いに触発しあいながら充実した研究生活を送らせていただきました。当研究所でも総合防災研究部門という学際的な色彩の強い新しい研究部門で新たな研究上の挑戦の機会をお与え頂いたこと大変感謝しております。一層精進を重ねますのでよろしくお願いいたします。
地震災害研究部門 助教授  澤 田  純 男
 本学工学研究科より4月1日付けで地震災害研究部門耐震基礎分野に着任致しました。京都大学大学院工学研究科修士課程修了後1年間助手として、その後財団法人大阪土質試験所に6年間勤務した後、やはり1年間助手として防災研究所に勤務させて頂きましたので、3度目の防災研究所勤務となります。内陸の活断層から発生する地震動に対して土木構造物の耐震設計を行なうために、工学的な見地に立って地震動予測を行なう研究と、予測された地震動に対して構造物が破壊するギリギリの状態に設計する限界状態設計法に関する研究を行なっております。皆様の御指導、御鞭撻の程よろしくお願いいたします。
地震予知研究センター 助教授  橋 本   学
 4月1目付けで,地震予知研究センターに参りました橋本学です。当研究所地震 予知計測部門(当時)で大学院生活を送った後、13年間国土地理院で測地測量による地震・火山性地殻変動の研究や地震予知連絡会などの地震予知に関わる仕事をやってきました。この間、数々の地震や火山噴火などに地球のエネルギーの凄さを 実感させられてきましたが、阪神・淡路大震災ではこれらの経験で得た知識と社会と科学との関わりに対する認識の浅さを思い知らされました。これからは社会との関わりを念頭に置きながら、数値シミュレーションを中心に地震発生予測に迫る研究をして行きたいと考えておりますので、ご指導の程よろしくお願いいたします。
水災害研究部門 助 手  市 川   温
 4月1目付けで水災害研究部門の助手に採用されました市川 温(ゆたか)と申します。これまで、オブジェクト指向設計を利用した水文モデル構成システムの開発、分布型流出系モデルの集中化といった課題に取り組んで参りました。最近は、 ここ数年間の研究成果の集大成(?!)として、大陸河川流域の流出モデルの作成に取り組もうと考えております。
 河川洪水は、身近な災害です。我々の隣人ともいうべき川とうまくつきあっていく方法を、科学的な見地から検討するという課題に取り組んでいきたいと思っております。御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
地震予知研究センター 助 手  徐    培 亮
 平成9年5月16日地震予知研究センター地震予知計測分野に助手として着任 しました徐 培亮です。平成元年、武漢測繪科技大学測地学科測地学専攻において 博士号を取得しました。そのあとでオランダのDelft University of Technology,ドイツのStuttgart University,カナダのThe University of Calgaryおよび科学技術庁、防災科学技術研究所であわせて7年半間研究をしてきました。その間、理論測地学、地球重力、ill-problems, random stressと歪テンソル,およびGPS測地学を研究しました。今後は上記の研究を続けるとともに、それらの地震予知研究への応用を心がけていきたいと思います。
 先生方をはじめ皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願い致します。
事 務 部 経理課長  平 野  康 幸
 4月1日付けで防災研究所にお世話になることとなりました平野でございます。 信州大学、高エネルギー物理学研究所、宇部高専と勤務し、一度は生活をしてみ たいと思っていた京都(宇治も関東の人間にとっては京都と一緒)勤務となり、古都のあちらこちらを探索できることを楽しみに思っています。でも、困ったことが 二つ生じてしまいました。淀競馬場の近いことと、ゴルフのプレーフィーが高いこ と、どちらも出費の嵩むことです。高エネ研勤務の時代に覚えたゴルフもラウンド回数が年々減少し、二桁スコアの維持もままならない状況ですが、何とか機会を見 つけ、スコアの維持と運動不足の解消に努めたいと考えています。よろしくご協力のほどお願いします。
事 務 部 専門職員  上 田  照 夫
 宇治勤務となり3月が過ぎました、約1時間半の通勤ですが、如何に通勤時間を有効に使うか考えていますが、もっばら朝駅構内でスポーツ新聞を購入し、当たらない競馬の予想と弱い巨人のスボーツ面をながめています。
 私は、経理部に採用され、20数年後に初めて滋賀医大勤務となり2年、その後RIセンター・医学部で医学部構内6年、そして経理部5年半(3掛)、工学部2年半を経て、この度防災研究所経理課勤務となりました。間接的には研究所の仕事にも携って来ましたが、研究所で働くのは初めてであります。
 私の知っている防災研究所とは違って、近年組織が大きく変わっているのには驚きました。地震予知関連部門の統合、大部門制への整理統合、そして全国の大学共同利用の研究所として大きく役割が変わって来ており、また、隔地の施設も多く有り、近年の定員状況、公務員の姿勢等の問題の中、運用面でも色々大変であると思いますが、一日も早く組織の一員として役に立つよう努力して行く所存ですので、よろしくお願いします。
事 務 部 庶務掛主任  木 村  美那子
 平成9年4月1日付けで、防災研究所にやっと配置換になりました。近くて遠きは宇治への道・・・長年の念願であったので大変うれしく感謝しております。医学部が長かったので研究部門の呼び方に戸惑いを感じますが、早く慣れてがんばりたいと思いますので、お手柔らかによろしくお願いいたします。