科学技術振興調整費

「地震豪雨時の高速長距離土砂流動現象」(APERIF)市民講演会



 平成15年11月23日(日)1:30〜5:00にかけて,東京都・日野市民会館において文部科学省・科学技術振興調整費「地震豪雨時の高速長距離土砂流動現象の解明」(APERIFプロジェクト,代表:佐々恭二)主催,京都大学防災研究所・斜面災害研究センター、(社団法人)日本地すべり学会、国際斜面災害研究機構(ICL),斜面災害研究推進会議の後援で「都市域斜面防災の新世紀〜地震豪雨時に発生する地すべり研究の最先端を覗いてみませんか〜」と題した標記市民講演会を開催した.

 本講演会は本研究所斜面災害研究センターを中核とするAPERIFプロジェクトの成果の概要を広く市民に普及することを目的とした企画である。講演の部では佐々教授がプロジェクト全体の説明と流動化メカニズムについての研究成果の紹介を行ったほか,国土交通省・国土地理院の関口氏がレーザースキャナによる地すべり微地形の広域探査技術の開発を紹介し,森林総合研究所の大倉氏が11月14日につくばの加波山で実施した人工降雨による自然斜面の土砂流動化実験などについて紹介した.またパネルディスカッションとして,エッセイストの山田美也子氏らに加わってもらい,21世紀の斜面防災の研究の方向性について討議した.プログラムは以下の通り.事前に市民広報で市民に呼びかけて約30名の参加者があった.また,当日朝にはAPERIFプロジェクトにおける危険度評価研究の対象としている八王子市と日野市の住宅密集地域に隣接する斜面2カ所の公開見学会も実施し,約20名の参加者があった.

《プログラム》講 演:佐々恭二(斜面災害研究センター長)「地震豪雨時の高速土砂流動現象メカニズムの解明−大都市圏での災害とその防災」,関口辰夫(国土交通省国土地理院・防災専門職)「新世代のレーザースキャナー技術と斜面微地形判読による危険斜面抽出技術の開発」,大倉陽一(独立行政法人森林総合研究所治山研究室)「斜面崩壊実験による豪雨時の土砂流動化過程の解明」.パネルディスカッション:司会:東畑郁生(東京大学工学部),パネリスト:山田美也子(エッセイスト),岡田勝也(国士舘大学工学部),吉田尭史(応用地質株式会社),及び3名の講演者

斜面災害研究センター 福岡 浩