所長就任のご挨拶

防災研究所長 池淵周一 

 この度、平成11年5月1日付けをもって防災研究所所長に就任いたしました。
 私は昭和54年2月に工学部から防災研究所に配置換えとなり、水資源研究センターにて水文循環工学、渇水災害等の研究・教育に携わってきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 防災研究所は平成8年、“災害に関する学理の研究及び防災に関する総合研究”を行うことを新たな目的に据え、研究組織を5大研究部門・5研究センター体制に整備するとともに、全国共同利用研究所としての改祉・拡充を図りました。さらに平成9年度には卓越した研究拠点COEにも指定されました。こうした改組と新体制になった後の研究の進捗状況、プロジェクト研究を中心とした共同研究の進展などを自己点検評価するとともに、研究所が設置日的に沿った研究・運営がなされているか、時期尚早の感もありましたが、国内外の関係研究者の代表に依頼して外部評価を実施しました。外部評価委員からは大旨高い評価をうけましたが、部門とセンターとの連携強化、研究の重点化・強化などメリハリをつけた研究推進体制や予算配分の促進、防災科学と環境科学の境界領域へのチャレンジ、海外学術誌への投稿と国際評価の高揚、社会貢献・還元の実績PR、大学院教育や研究支援環境の充実などお互い錯綜しますが努力・改善すべき指摘事項をいただきました。これらは外部評価報告書としてまとめ6月中に発行する予定です。
 一方、21世紀を迎えるこの期になって行財政改革、教育改革などの波が大学、とりわけ大学附置研究所にも押し寄せています。研究所のあり方として学術研究のターゲットとしての中身を明確化、主張するとともに、学術研究の実績の明示、主張、さらに学術研究の強化に向けた改革が求められているともいえます。行財政改革にからめて独立行政法人化の論議も急速に高まっています。事務の統合化問題もあります。
2000年4月には防災研究所が創立50年を迎えるわけですが、こうした厳しい環境のなかで迅速な意志決定と機動的な対応が必要な場面もあります。防災研究丸が漂流しないよう自己点検評価委員会や将来計画検討委員会等に諮ったり、ときにはtask forceを構成し、冷静沈着な判断と大胆かっ勇断をもった舵取りで漕ぎ出す所存です。防災研究所に所属する教職員におかれましてもご支援・ご協力の程よろしくお願い申し上げます。