京都大学防災研究所

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私たちはこんな研究をしています

野島断層はどのように回復していくのか

【淡路島北部の野島断層において2009年1月~3月に実施された第6回注水実験の様子。手前のコンクリート枡の中に野島断層の深さ1800mに達する掘削孔の孔口があり、その向こうに注水用のポンプと水槽が見える。右手のプレハブ内では注水の制御とデータ収録を行う。遠方の建物には地震等の観測データを記録・送信する装置や人工振動を発生する装置が設置されている。】

野島断層の540m深度に水を注入する実験を約3年間隔で繰り返し行い(1997年~2009年)、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災を引き起こしたM7.3の大地震)で破壊された(ずれ動いた)野島断層が回復する過程を調べています。2013年からは野島断層の1800m深度への注水実験を行っています。

こんな成果を挙げています

野島断層近傍の岩盤は1995年の地震発生後、急速に(1997年~2003年にかけて)強度を回復したことが検出されました。注水に伴って野島断層の浅部(深さ2km~4km)に発生する極微小地震(マグニチュード1程度より小さい地震)が活発化することが確認され、活断層近傍における地震の発生特性が調べられました。

西上欽也・野島断層注水実験グループ, 野島断層における繰り返し注水実験―回復過程と誘発地震の研究―, 月刊地球, 36, 130-138, 2014.


西上欽也, 野島断層における繰り返し注水実験―兵庫県南部地震から15年間かけて分かったこと―, DPRI Newsletter, 56, 10, 2010. http://www.dpri.kyoto-u.ac.jp/web_j/dprinews/news56/pdf/news56.pdf

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