おわりに

 今回の自己点検評価報告書は、防災研究所にとって平成12及び13年度にわたる研究活動に関する基本的な資料となることから、従来からの報告書の章立てに基づいて記述するとともに、新しい2つの視点からの報告もあわせて掲載した。まず、本報告書の一番の狙いとするところが、研究者個人の研究能力の向上にあることから、外部の識者による客観的評価もあわせて行った。その結果から、平成16年度からの法人化に際して防災研究所がさらに充実しなければならない3つの機能、すなわち、広報、研究支援体制、他分野との連携が明らかになった。さらに、研究者の年齢構成が逆三角形となっている現状から、平成14年度から始まった21世紀COE拠点形成プログラム『災害学理の究明と防災学の構築』の中で約30名に及ぶCOE研究員の果たす役割が極めて大きいことがわかった。さらに、部門・センターの将来構想では、中期計画・中期目標と関係して、どのような視点がさらに必要かが明らかになった。

 本報告書をまとめるに当たって、組織としての研究所の自己点検評価と研究者個人の自己点検評価が混在し、前者の視点が少なく、改善の余地があることや、新しい評価項目に関しても、重なる部分があるなど、つぎの自己点検評価に際して考慮すべき課題も明らかになった。

 最後に、本委員会の求めに応じてアンケート調査に協力していただいた外部の識者の皆様に感謝申し上げるとともに、忙しい研究活動の時間を割いて本委員会に協力いただいた所内関係者にお礼申し上げたい。本報告書が防災研究所の一層の発展に寄与できれば幸いである。
 
自己点検評価委員会 委員長 河田惠昭