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5.3学部教育

 防災研究所の教官は、総合人間学部、理学部、工学部および全学共通開講科目の一部を担当している。学部の講義を担当している教官の割合は、防災研究所全体としては、総合人間学部では約1%、理学系では約10%、工学系では約40%、全学共通では約1%となる。平成12〜14年度の担当講義科目の内訳は表5.3.1のとおりである。

防災研究所教官が自然災害科学の専門家であり、現場を知ることが重要な担当科目が多いことから、実験、実習等を経験豊富な教官が提供している。全体としては理学、工学部関係の科目が圧倒的に多いが、総合科学としての防災学を考えると、人文・社会科学系学部の学生にも自然災害の基礎知識を提供しつづけることは重要である。そのため、他学部の全学共通科目として、入門・都市リスクマネジメント、自然災害科学T、U、環境地圏科学ゼミナールT、Uなどの科目を提供している。これらの科目は防災研究所の各分野の教官が2年ごとに交代して担当しており、防災研究所の研究内容を紹介する上で、貴重な機会を確保している。さらに平成13年度からは全学共通の少人数ゼミ形式をとるポケットゼミが開講され、防災研究所として、“地震・雷・火事・親父の傾向と対策”、“自然環境観測実験体験ゼミ”、“地球環境時代の災害を織る”などの講義を提供している。今後も魅力的な講義を継続していくことが望まれる。

防災研究所の教官が他大学等で平成12〜14年度非常勤講師として講義を担当した講義は表5.3.2の通りであり、平成12年度自己点検評価時の57件と比較して、65件と増加している。とくに、外国人教授の採用により国外での大学の講義が加わっている。もちろん講義数が増加していることは評価できるが、これらの講義の受講者が、自然災害の基礎知識を習得し、一人でも多くの学生が研究活動を志す契機となるような内容の講義が継続して提供されることが望まれる。

次に、卒業論文の研究指導に関して、防災研究所の教官に指導を受け、学士の学位を授与された件数は、平成12年度 46件、平成13年度 53件となっており、平成12年度自己点検評価のときとほぼ同程度の件数である。前回、積極的に学部教育に関与することを考慮すべきであるという指摘がなされているが、目立った改善はなされていない。ただし、この問題は前述の大学院教育と同様、全学としての検討が必要であり、継続して検討・調整を行っていかなければならない。

表5.3.1 学部担当講義科目一覧

表5.3.2 他大学での学部担当講義科目一覧

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