■その1(施設関係)
流域災害研究センター

 図1: 大潟波浪観測所周辺の海岸地形

大潟波浪観測所


日本海に面する新潟県上越市四つ屋浜に大潟波浪観測所はあります(1969年設置)。上越地域海岸の砂浜と海岸砂丘(潟町砂丘)は、潟湖の発達する高田平野低湿地の最前線とみることができます(図1)。後背地には西頚城山地(妙高火山群)はじめ、東頚城丘陵(日本有数の地すべり地)および米山(火山性)を擁し、それらから流出する関川、保倉川等の流砂系と沿岸域の漂砂系の連関について、実証的研究を進めています。海岸保安林の中に位置するため、砂丘保全に係る植生の役割や地下水涵養の実態を調べるうえにも、恵まれた環境です。1981年以来、「大潟海岸に学ぶ」講演会を地域の方々の支援のもと、定期的に開催しています。わが国では、近年、海岸侵食の進行が大きな課題になっています。上越地域海岸においても海岸侵食が顕在化し、各種海岸保全構造物が設置されています。観測所における最近の調査研究結果によると、海底地形はダイナミックに変化しており、海岸保全構造物まわりの地形変化や越波、強大な波力による災害リスクの研究が課題になっています。地球温暖化にともなう海面上昇によって深刻な影響をうける環境システムの一つが、砂浜―海岸砂丘―潟湖システムです。大潟波浪観測所の立地環境と永年の研究ネットワークは、将来を見据えたフィールド研究の場として重要な意義を持つものと考えています。