・研究集会名(番号) 古地磁気学的手法を用いた火山活動史の復元  (9Sー4)

・研究代表者  京都大学防災研究所   味喜大介

・開催期間   平成9年7月14日〜平成9年7月16日

・開催場所   鹿児島郡桜島町 国民宿舎「さくらじま荘」

・参加者数   58名


 

概 要

 過去の火山噴火の歴史を明らかにすることは、現在の火山活動をより深く理解し、将来の 活動を予測するために重要である。古地磁気学の手法は、溶岩などの噴出物の年代推定や、 火山帯周辺の構造運動の解明など、火山活動史の研究に応用することができる。一方、古地 磁気学的手法だけから火山活動史を編むことは難しく、他の専門分野との協力も必要になる。 本研究集会は、こうした研究のこれまでの成果や問題点、また将来の展望について議論する ために開催された。  

成果のまとめ

 本研究集会では、古地磁気学、火山層序学、火山物理学や放射年代学などを専門とする研 究者および大学院生など58名の参加を得て、合計26件の講演発表と桜島火山の野外巡検が行 われ、活発な議論が交わされた。講演の内容は、考古遺跡の焼土遺構や火山岩、海洋あるい は湖底の堆積物などから得られた地磁気変動の様子や火山噴出物を試料とした古地磁気層序 学的研究の実例、また、地球物理学的あるいは火山層序学的にみた桜島火山の姿、放射年代 学や鉱床学の立場からの北薩・南薩地域の火山活動史の研究、さらに、放射年代測定や広域 火山灰の研究の新しい手法など多岐におよび、異なる専門分野の間の相互理解を深めること ができた。本研究集会の講演内容は報告集「古地磁気学的手法を用いた火山活動史の復元」 として出版した。